2020年8月21日 更新

にんにくはプランターでも栽培できる!植え付けから収穫までの方法と、家庭菜園で上手に育てるコツとは?

和食、洋食、中華料理と、どんな料理にも活用できるにんにく。そんなにんにくは、コツをつかめばプランターを使った家庭菜園でも育てることができる野菜です。にんにくの植え付けから収穫まで、栽培に適した土や肥料などのほかに、代表的な品種をご紹介します。

にんにくにはどんな種類がある?

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料理の薬味や調味料として欠かせないにんにく。
そんなにんにくは、ネギ科に分類される野菜で、球根だけでなく、収穫した葉など、株のほとんどを食べることができます。
植え付けから収穫までの期間は長めですが、病気をしづらいため、家庭での栽培も比較的簡単です。

国産のにんにくは大部分が青森で栽培されていますが、品種はさまざま。
大きく分けると、寒冷地で育てられるものと、温暖な地域で育てられるものに分類されます。

ここでは、家庭菜園におすすめで、スーパーなどでもよく見かける代表的なものを3種類ご紹介します。
お住まいの地域によっても育てやすい品種に違いがあるので、それぞれのにんにくの特徴に合わせたものを選んでみてくださいね。

ホワイト6片

大きくて形の揃った鱗片が特徴のホワイト6片は、名前の通り白さが美しく、6個ほどの鱗片から成るにんにくです。
市場に出回るにんにくのほとんどを占めるといってもいいでしょう。
寒い地域の代表格で、東北から関東の主に北部での栽培に向いています。

そのため、暖かい地域では成長に必要な低温状態を充分に得られず、痩せたにんにくになってしまったり、冬の暖かさにより病気にかかりやすかったりすることがあります。
関東以北にお住いのかたにおすすめの品種です。

ジャンボにんにく

エレファントガーリックとも呼ばれるジャンボにんにくは、その名の通り、手のひらいっぱいに乗るほどの大きさが特徴です。
その大きさは、ジャンボにんにくの鱗片の1つが、ホワイト6片1個と同じぐらいになるほど。
鱗片をフライにして食べたり、大きいままホイル焼きにして食べたりといった楽しみ方もできます。

ジャンボにんにくはネギ科ではありますが、実はリーキやポワロ―といった西洋ネギの仲間です。見た目がにんにくに似ているため、この名前がつけられたのだとか。
育てやすいのも特徴で、無臭にんにく同様に香りが控えめです。

ジャンボにんにくは、主に鹿児島県や香川県など、温暖な地域で栽培されています。

無臭にんにく

ホワイト6片に比べて、暖かい地域でも比較的育てやすいのが無臭にんにくです。
にんにく特有の香りが控えめなので、香りが気になるかたにもおすすめ。鱗片が10個以上とたくさん付くので、かなり大き目のにんにくができます。
無臭にんにくもまた、ジャンボにんにくと同じリーキの仲間です。

にんにくをプランターで栽培するには?

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にんにくは、必要なものを揃えればプランターでも育てることができます。
植え付けから収穫までは9カ月前後かかりますが、その間は水やりと追肥のほかに難しい工程はないため、家庭菜園初心者のかたにもおすすめです。

種球(種ニンニク)は、9月頃になるとホームセンターなどで並び始めるので、なるべく張りがあって元気が良さそうなものを選びましょう。
また、地域に合った品種選びも失敗しないためのコツですよ。

準備するもの

・種球(種ニンニク)ホームセンターなどで購入可
・プランター(深さ20cm以上のもの)
・元肥入りの野菜用培養土
・鉢底石

植え付け

【植え付けの時期】

にんにくの植え付けは、9月~10月頃におこないます。
品種にもよりますが、にんにくは比較的暑さに弱いため、真夏などの暑さが厳しい時期に植えると病気にかかりやすくなってしまうので注意が必要です。
そのため、暖かい地域では残暑が去った10月頃に植え付けてもいいでしょう。

一方、寒くなり過ぎてから植え付けても根が充分に成長できず、痩せたにんにくになってしまいます。
目安としては、土の温度が20℃前後になる頃が適しています。


【植え付けの手順】

1.市販されている種球を1片ずつにばらします。
このとき、剥がれている皮は剥いておきましょう。(薄皮はそのままにしておきます。)

2.鉢底石を、プランターの底が隠れる程度に敷いていきます。

3.プランターの淵から4~5cmほど下まで培養土を入れたら、10cmほど間隔をあけて種球を1片ずつ植えていきます。
このとき、種球のとがっているほうを上にして植えたら、5cmほど覆土をしましょう。

4.たっぷりと水を与えたら、芽が出てくるまでは涼しくて半日陰になる場所にプランターを設置しましょう。
芽が出てきたら、日当たりの良い場所に移動します。

プランター栽培に適した元肥入り培養土

元肥マグァンプK入り ハイポネックス培養土 鉢・プラン...

元肥マグァンプK入り ハイポネックス培養土 鉢・プランター用 14L

元肥配合済みで、そのまま使用できる培養土です。
排水性、通気性に優れていて清潔なので、ベランダのほか、室内での栽培にも安心です。
約14L入りなので、標準型のプランター1個分にちょうどいい量です。

省スペースでも深さはしっかり確保できるプランター

鉢 プラスチック 野菜 プランター 菜園コンテナ 520型

鉢 プラスチック 野菜 プランター 菜園コンテナ 520型

ベランダや玄関先など、省スペースでも土容量20Lを確保できる、しっかりとした野菜用のプランターです。
プランターの深さは26cmで、にんにく栽培には十分な深さがあります。

日当たり・水やり

【日当たり】

植え付けの直後は風通しがよく涼しい半日陰に置き、発芽したらできるだけ日当たりの良いスペースにプランターを置くようにしましょう。

にんにくが元気よく成長するために、日光は欠かせないポイントです。
収穫までの長い期間にふんだんに日光が当たることで充分に光合成され、その養分は葉や土の中の球を大きくするために使われます。

半日陰でも育たないことはありませんが、成長に必要な光合成が充分におこなえず、にんにくもあまり大きく育つことができないおそれがあります。

ベランダなどの限られたスペースで日当たりを確保するのは難しいかもしれませんが、時間によってプランターを移動したり、何かの影にならないよう設置場所に高さを出したりするのもいいかもしれません。

【水やり】

発芽後は、葉が2~3枚出てくるまでは乾燥しないように注意しながら水やりをしましょう。
にんにくは乾燥気味の土を好むため、葉が出てから寒くなるまでの期間は、土が乾燥したタイミングで水やりをします。
プランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと与えてください。

寒い時期は、土の表面が乾いていても、気温の低さにより土中は湿っている可能性があります。
そのため、土の表面が乾いて3日ほど経ってから水を与えると良いでしょう。
また、冬の間は与えた水が凍ってしまうことがあるため、水は比較的気温の高い日中に与えるのが理想です。

どの時期でも、発芽から収穫の日までは、やや乾燥気味に育てるのがポイントです。

追肥

1度目の追肥は植え付けから1か月ほど経ってから、2回目は2~3月頃におこないます。
プランター栽培での植え付け時に元肥が配合された土を使っていれば、追肥はこの2回で充分です。
追肥のタイミングを逃してしまうとにんにくが充分に肥えることができないので、忘れずにおこなうようにしましょう。

摘蕾

摘蕾(てきらい)とは、実の生育を良くするために、蕾を取り去ることです。

にんにくの場合、種球を植え付けたあと2週間程度で芽が出るので、その芽が10~15cmほど伸びたところで、まずはわき芽の「芽かき」をおこないましょう。

1か所に2本以上の芽が出ている場合は、生育がいい方を残してほかを取り除きます。
このとき、わき芽のほうの土を少しだけ掘り、残す芽まで抜けてしまわないよう株元を押さえながら斜め上へ引き抜きます。

なお、地上に出ている部分だけをハサミなどで切ってもまた伸びてきてしまうので、必ず根元から取り去ります。
取り除いたわき芽は食べることもできるので、捨てずに食べてみるのもいいでしょう。

春先になるとさらに「とう立ち」して花蕾が成長します。
花蕾があると球根の生育が悪くなってしまうので、ここでおこなうのが摘蕾です。
トウが葉の先端ぐらいまで伸びたら、掴んで引っ張って抜くか、折ることで取り去ります。

なお、トウがまだ小さいうちに取ると葉を傷める恐れがあるので注意が必要です。
摘み取った花芽はにんにくの芽として、炒め物などにして食べることができますよ。

にんにくの収穫

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5月に入った頃、にんにくの葉先が黄色く枯れてきたら収穫のサインです。
通常、葉が枯れるのは摘蕾後10日ほど経ってからなので、こちらも目安にしておくといいでしょう。
収穫時期より少し前に葉が5~6枚ほど出たら、この葉を葉にんにくとして収穫することもできます。
収穫する場合は、株元を3cm程度残して切り取ります。

にんにくは湿気に弱いため、雨の日に収穫すると濡れてしまいカビが生える原因となります。
収穫は天気のいい日を待っておこないましょう。

収穫する際は根元をもって茎ごと引き抜きます。
もし茎が折れてしまった場合は、土中のにんにくを傷つけないようにしながら優しく掘り起こします。
収穫したあとは、広げた新聞紙などの上でにんにく同士が重ならないように並べて乾かしましょう。

【収穫後の保管方法】

にんにくは湿気に弱いので、可能ならば風通しがよく明るい日陰に吊るして保管しましょう。
新聞紙に包んで冷蔵庫で保管したり、剥いたり刻んだりしたあと、容器に入れて冷凍してしまう方法もあります。
そのほか、オイルやしょうゆに漬けたり、にんにく味噌に加工したりしても長期間保存できます。

美味しいにんにくをつくるための肥料

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おいしいにんにく作りには、肥料が欠かせません。
適切な時期に肥料を与えることで、しっかりと肥えたにんにくを収穫できます。

にんにくは栽培期間が9か月前後と長いため、即効性がある肥料よりも、ゆっくりと時間をかけて効果が出てくる緩効性の肥料を与えるのがポイントです。
植え付け時に元肥入りの培養土をつかったら、植え付けの約1か月後と、2月~3月頃の計2回ほど追肥をおこないましょう。

市販されている肥料には、にんにくに合うように最初から何種類かの肥料をブレンドして売られているものもあります。
プランター栽培など、比較的少ない量を栽培するのには、一からブレンドして作るよりも手間が省けて便利です。

にんにくに適した専用の肥料

玉ねぎ・ネギ・にんにくの肥料

玉ねぎ・ネギ・にんにくの肥料

名前の通り、玉ねぎ・ネギ・にんにく専用に開発された肥料です。
元肥や追肥に使うことができます。
ニオイがしないので、肥料のニオイが気になるというかたにもおすすめの肥料です。
追肥に使用する際は、65cmプランターで約15gが目安です。

にんにく栽培時に気をつけたい病害虫

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にんにくは比較的病気になりにくい野菜ですが、水はけの悪い環境や、害虫によるウイルスの感染に注意が必要です。
にんにく栽培では多湿に注意し、水はけのよい環境を保って育てましょう。
ここでは、気をつけたい病気と害虫をご紹介します。

病気

・モザイク病
葉や茎などに、黄色や濃い緑色などがモザイクのような模様になって現れるのがモザイク病です。
モザイク病は、モザイク病に感染した野菜の汁を吸ったアブラムシなどの害虫が、ほかの野菜に移動することで感染します。
モザイク病になると葉が委縮することもあり、やがて葉や茎だけではなく株にも現れるようになります。

モザイク病の発生を注意したいのは10~11月と、4~6月。
モザイク病は、一度にかかってしまうと完治することが難しい病気です。
そのため、栽培に使用するハサミなどはその都度消毒して清潔を保ったり、アブラムシを見つけ次第素早く駆除したりといった対策を取ってください。

・葉枯れ病
葉枯れ病はカビが原因で起こる病気です。
最初のうちは葉先に白い病斑が現れ、症状が進行すると病斑が大きくなり、周囲が黄色くなります。
さらに進行すると、すす状のカビが生えることも。

葉枯れ病は、雨が多く多湿の環境になると発生しやすい病気です。
発見したら薬剤で治療するか、病斑が出た葉を切り取って処分しましょう。

害虫

・アブラムシ
群れになって葉や茎にくっつき、植物の汁を吸います。
このとき、アブラムシを介してモザイク病などの病気になることもあります。
アブラムシは見つけ次第、駆除することが重要です。

・ネギコガ
ネギコガは、ネギ、ニラ、にんにくなど、ネギ科の植物にとくによく見られる害虫で、夏から秋にかけて発生します。

ネギコガの幼虫は、葉や茎に穴をあけて内部に入るとやわらかい部分を食べてしまい、食べられた葉は、やがてかすり状に変色します。

ネギコガは内部に侵入して食害するため、殺虫剤をスプレーしても駆除するのが難しくやっかいな害虫です。
対策として目の細かい防虫ネットを張るか、日ごろから葉をよく観察して、幼虫を発見し次第、取り除いて駆除しましょう。

化学殺虫成分不使用の殺虫剤

ベニカマイルドスプレー

ベニカマイルドスプレー

食品成分で作られた、自然派志向の殺虫剤です。
化学殺虫成分を使用していないため野菜にも安心して使うことができます。
ニオイがなく、そのままスプレーするだけなので使い方も簡単です。

じっくり育てたにんにくで収穫の喜びを味わおう

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にんにく栽培を成功させるためには、お住いの地域の気候に合わせたにんにくを選びましょう。
基本的ににんにくは暑さが苦手ですので、暖かい地域では暑さに強い品種を選ぶのもポイントです。
植え付けから収穫まではそれなりに時間がかかるにんにくですが、栽培に関しては難しい作業は少ないため、家庭菜園の初心者のかたにもおすすめです。
プランターで育てた自家製のにんにくで、料理の幅を広げてみませんか?

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