2020年8月11日 更新

サトイモの栽培方法は?プランターでもOK!植え付け・土寄せなどあらゆる疑問を解決

ゴロゴロとたくさんのイモを収穫できるサトイモ(里芋)栽培は、家庭菜園の初心者さんにもおすすめ。丈夫な野菜なので場所を選ばず、プランター栽培も可能です。植え付けや土寄せ、追肥の方法と言ったつまづきやすいお悩みも解決!芽出しや収穫の時期なども丁寧にご紹介します。

サトイモとは?

gettyimages (28341)

サトイモの基本情報

学名:Colocasia esculenta
別名:タロイモ
科名 / 属名:サトイモ科 / サトイモ属
原産地:東南アジア
形態:一年草

原産地ではタロイモと呼ばれるサトイモ(里芋)。
日本では縄文時代から栽培されてきた、歴史の長い野菜です。

特徴
サトイモは、肥大化した地下茎の部分を食用としています。
株の中心に実る親イモ、親イモの周りに子イモ、さらには孫イモが実ります。
品種は多くあり、サトイモのどの部分を食用とするかによって、大きく分けて子イモ専用種、親イモ専用種、親子兼用種の3つに区分されます。

性質
高温多湿を好む性質があり、日陰でもある程度育ちます。
病害虫に強く土質を選ばない点から、初心者にも育てやすい野菜です。
ただし乾燥には弱いため、水やりはポイントをおさえて行いましょう。
また、北海道の寒さで育てるのは困難だと言われています。
そのほか、連作を嫌う点にも注意しましょう。

プランター栽培
広い畑で育てるイメージが強いサトイモですが、プランターでの栽培も可能です。
一株でも20個以上の収穫を期待できるため、大きなプランターを利用すると安心ですね。

サトイモの品種

サトイモは品種によって食用とする部分が異なり、大きく3つに分類できます。
それぞれの代表的な品種をご紹介します。

小イモ専用種
土垂(どだれ):市場で多く出回っている品種です。
小ぶりで特有のぬめり・粘りがあります。
煮崩れしにくく、煮物に重宝されます。
石川早生(いしかわわせ):こちらも代表的なサトイモの品種です。
茹でると簡単に皮をむくことができます。
名前の通り早生で、早い地域では7月から収穫され始めます。

親イモ専用種
タケノコ芋:京いもとも呼ばれるサトイモ。キメの細かい肉質が特徴です。

親子兼用種
セレベス:赤芽大吉とも呼ばれます。
親イモ、子イモと共に大きくたくさん実るのが特徴です。
ぬめりは少なく、しっかりとした食感を楽しめます。
八つ頭:ぬめりが少なく、味に定評のあるサトイモです。
独特な形を作り、葉柄も食べることができます。

サトイモの栽培スケジュール

gettyimages (28349)

サトイモは畑やプランターに直接植え付ける方法と、事前に種イモから芽出しさせる「催芽」を行ってから植え付ける方法があります。

一般的な直接の植え付けの場合のスケジュール

4月:植え付け
5〜7月:追肥・土寄せ
10月末〜11月:収穫。早い品種では9月末から収穫が始まります。

芽出し(催芽)させる場合のスケジュール

ポットなどに種イモを仮に植え、芽出しを行ってから畑やプランターに植え付けます。芽出しを行うことで、より早い収穫が可能になります。
3月:芽出し
5月:植え付け
成長に応じて追肥・土寄せ
8月末:収穫

サトイモの栽培に適した環境

gettyimages (28352)

置き場所

サトイモの置き場所としては、以下のようなポイントをおさえましょう。
・風通しの良い場所
・半日陰~日陰でもOK、丈夫な株を育てるなら日当たりのいい場所を
・適温は25度~30度と高め
・霜には弱い

高温多湿の環境を好むサトイモ。
光を好みますが、日陰での生育も可能です。
理想的なのは、日当たり良好で保水性の高い土壌です。

用土

畑で栽培する場合は、事前に土の中の石などを取り除きます。
植え付けの2週間前から苦土石灰を、1週間前には堆肥や元肥を入れて耕します。
保湿性の高い用土を目指しましょう。

プランターで栽培する場合は、野菜用の市販の培養土を使うのがおすすめです。

根菜類の専用土で安心栽培

ジャガイモの土 25L

ジャガイモの土 25L

ジャガイモだけでなく、サトイモやサツマイモなど根菜類の専用土です。
腐葉土や完熟堆肥など、初期の元肥を含んでいます。

サトイモ栽培の準備

gettyimages (28362)

種イモ(種芋)の準備

サトイモの種イモは、栽培時期になるとホームセンターや種苗店で見かけるようになります。
選ぶ際はふっくらと形がよく、大きいものを選びましょう。
小さいものを選ぶと育ちが悪い場合があります。

また、貯蔵しているサトイモを使用することも可能です。
すでに栽培をしたことがある場合は、前年に収穫したものを越冬保存させ、次の種イモとして利用してみましょう。
一般的には、親イモを種イモにすると数の確保が難しいため、子イモを種イモとします。
しかし家庭菜園の場合は種イモが少量でも問題ないことが多いので、初期の育成がさかんな親イモを利用するのもおすすめです。

プランター栽培の場合

サトイモをプランターで育てる場合は、大きく深型のものを選びましょう。
深さは30cm以上だと安心です。
一株のみを植える場合には、植木鉢での栽培も可能です。
ただし20個以上の収穫を期待できるため、こちらも大型で深型の15号鉢ほどの大きさのものにしましょう。

芽出し(催芽)

芽出し(催芽)は、植え付けの前に種イモの芽を出させておくことを言います。
芽出しを行うことには、以下のようなメリットがあります。
・発芽しないまま腐ることがない
・発芽してから植え付けるため生育期間をたっぷりとることができ、実り豊かになりやすい
・株ごとの成長ペースが揃うため、管理が楽になる

芽出しの方法

ポットに種イモの芽を上にした状態で土を被せます。
それからたっぷりと水をやり、土が乾いたタイミングで水やりを行いましょう。
土が湿る程度が目安です。
あとは暖かく、日当たりのいい場所に置いておくだけ。
1ヶ月ほどで芽が出てきます。

ただし、芽出しは行わずとも植え付けは可能です。
時期を過ぎてしまったなど、その時の状況に合わせて植え付けの方法を考えてみましょう。

サトイモの土作り

gettyimages (28370)

サトイモの土作りでは、水持ちが良く粘土質な土を目指しましょう。
ただし水はけが悪いと病気になる可能性が高まるため、水が溜まりやすい畑では排水性も考慮し、高畝にするなどの対策が大切です。

畑栽培の手順

植え付けの2週間前:1平方メートルあたり70〜100gの苦土石灰と堆肥2kgをまきます。
植え付けの1週間前:1平方メートルあたり100gの化成肥料を元肥としてまきます。
pHの目安は6.0〜6.5です。
十分に耕したら株間45cmをあけて畝を立てましょう。

プランター栽培の場合

用土はプランターの7分目まで入れます。
多過ぎてしまうと、土寄せの際に土があふれてしまうためです。
上部10cmほどをあけるのが目安です。

ばらまくだけでOK!便利な肥料

肥料 住友化学園芸 マイガーデンベジフル 1.6kg

肥料 住友化学園芸 マイガーデンベジフル 1.6kg

野菜やくだものなど幅広く利用できる肥料です。
有機質をブレンドしており、腐植酸が入った緩効性の肥料として、ばらまくだけでしっかり効果を発揮してくれます。

畝の作り方

畑栽培の場合は畝を作る必要があります。

高さは10〜15cm、幅は70〜80cmが目安です。
真ん中に10cmほどの深さの溝を作ります。
45cm間隔で植え付けますが、畝の長さは植える株の数によって調整しましょう。

マルチの使用

芽出しを行わずに植え付けをする場合は、畝を作った後に黒マルチを張るのがおすすめです。
こうして地面の温度をあげることで、発芽がスムーズに行われやすくなります。
その後、土寄せを行う頃にマルチは外しましょう。

サトイモの植え付け

gettyimages (28381)

植え付け方法は基本的に畑もプランターも同様です。
まず種イモを一つずつにバラし芽を上にして、畝立ての際に作った溝の中に植え付けます。
プランターの場合は5〜6cmの溝を掘ってそこに植え付けていきます。
どちらの場合も株間は45cmほどとり、大きな種イモと小さな種イモが交互になるように植えていきましょう。
その後、5cmほどの厚みで覆土します。
またサトイモは連作を嫌うため、3~4年間隔を空けるようにしましょう。

サトイモの水やり

gettyimages (28384)

サトイモは乾燥に弱く、その水分量が収穫量にも影響を与えます。
そのためしっかりとポイントをおさえて水やりすることが大切です。

どの栽培においても、乾燥を防ぐための敷きわらマルチはおすすめです。
稲ワラや刈り草で用意できます。

畑栽培の場合

水やりは基本的にほとんど必要ありません。
土が乾いたタイミングでたっぷり水やりを行えばOKです。
ただし夏の乾燥しやすい時期には水やりを欠かさずにしっかり行いましょう。

プランター栽培の場合

1日に1〜2回、朝か夕方に土の中まで染み込むようにしっかり水やりをします。
頻度の目安は、土の表面が乾いているかどうかです。

天然わらで保湿・乾燥防止!

敷きわら ヘッダーなし 12L

敷きわら ヘッダーなし 12L

天然の敷きわらです。乾燥防止だけでなく、雨などによる土の流出や雑草の繁殖も防ぐ効果があります。
天然なので、腐ってしまったらそのまま肥料として利用可能です。

サトイモの追肥と土寄せ

gettyimages (28390)

栽培期間の長いサトイモは、肥料切れに注意が必要です。
そのため、植え付けの後に2回程度の追肥を行います。
追肥の際には土寄せも合わせて行いましょう。
これは、サトイモが暗い場所でないと大きくならないためです。
また、プランター栽培の場合も生育に合わせて追肥を行います。

1回目の追肥と土寄せ

1回目の追肥は5月下旬~6月中旬ごろ、草丈が30cm程度、本葉が3〜4枚になった頃です。
根を痛めないように株元から少し離して、化成肥料を均一にまきましょう。
量の目安は1平方メートルに20〜30gです。
土寄せは畝の両側から5cm程度行います。

プランター栽培の場合は、草丈が10〜15cm程度に育ったタイミングで、化成肥料を5g程度まきましょう。
合わせて土寄せも行います。

2回目以降の追肥と土寄せ

2回目の追肥は6月下旬~7月中旬、梅雨明けの前後が目安です。
量は1回目と同様に行います。
土寄せはさらに多くなり10cm程度、芽がしっかりと土の中に隠れるように行いましょう。

芽かき

株の周りに出る子イモの芽は、早いうちにかき取ることが大切です。

親イモから子イモ、孫イモへと増えていくサトイモ。
それぞれのイモから芽が出て伸びますが、それを放置すると栄養は分散されてイモの質は悪くなってしまいます。
わき芽はかき取るか、土寄せの際に埋めて育たないようにしましょう。

サトイモの収穫

gettyimages (28399)

収穫の時期

サトイモは芽出ししたものは8月末から、種イモを直接植え付けた早生種のものは9月下旬から、その他の一般的な品種は10月末から11月にかけて収穫となります。

見た目の判断基準は、地上に出ている葉が黄ばんで枯れ始めた頃。
10月の半ばをすぎたタイミングで試し掘りをし、サトイモの大きさを見てみましょう。

また、サトイモは霜に弱いため、食用のサトイモは霜が降りる前に収穫を終えます。
貯蔵用は霜が降りた後の収穫で問題ありません。

収穫の方法

天気の良い日を選んで収穫を行います。
まず地上に出ている茎部分をナイフなどで刈り取ります。
イモを傷つけないように、株の周辺を掘っていきます。
目安は30cmほど離れたところです。
スコップで掘り進めたら最後は手で掘り上げるのがおすすめです。

仕上げにイモについた土を落として、親イモと子イモに分けましょう。
貯蔵用にする場合は、親イモごと全てつながったまま貯蔵するため、子イモ・孫イモがバラバラにならないように特に丁寧に扱います。

サトイモの貯蔵方法

食用としてその年に使用するサトイモは、新聞紙で包んだり段ボール箱に入れたりして常温で保存しましょう。
サトイモは低温に弱いため、冷蔵庫に入れると傷んでしまいます。

・貯蔵用として越冬保存する方法
越冬したサトイモは種イモとして使用することも可能です。
取り扱いに気をつけつつ有効に利用しましょう。

水分量が多くない畑に深さ60cmほどの穴を掘ります。
そこにもみ殻を敷き詰め、子イモ・孫イモをつけたままの親イモを下向きに並べて置いていきます。
さらにもみ殻を被せて、土で覆い山状に。その上にワラを敷いて、雨よけのビニールなどを載せれば完成です。

温暖地の場合は、もっと簡易的な方法での貯蔵も可能です。
株の上に土を20〜30cm盛り上げ、寒さが厳しくなってきた頃に防寒対策として、稲ワラなどを被せるだけです。
温暖な土地ならばこれだけでも、翌年にしっかり種イモとして利用できます。

サトイモの害虫・病気

gettyimages (28404)

病害虫の被害を受けにくく丈夫なサトイモですが、その中でも発生しやすいものをご紹介します。

病気

モザイク病:黄色い模様が葉に現れ、葉が萎縮してしまいます。原因となるウイルスはアブラムシによって運ばれます。
その他、疫病、軟腐病などは発生しやすい病気です。
これらの病気が発生する原因の多くは連作にあります。
連作を避け、適度な水やりなどを心がけましょう。

害虫

アブラムシ:葉裏に群れですみつき、吸汁加害します。
その他、ヨトウムシ、セスジスズメなどが発生しやすいです。
これらの駆除に殺虫剤は有効ですが、野菜の収穫前の使用は避けたいところ。
手間は増えますが、葉を丁寧にチェックし、害虫を見つけ次第粘着テープなどでとっていきましょう。

また、事前にマルチを張っておくことで、害虫予防の効果を期待できます。

初心者でも安心!たくさん収穫して家庭菜園を楽しもう

gettyimages (28407)

畑での栽培イメージが強いサトイモですが、プランターの利用もOKと、ベランダでの栽培も安心して行えます。
生育期間は長いものの丈夫な野菜で、ほとんど手がかからず初心者にもおすすめです。

また、一株でもゴロゴロとたくさん収穫することができ、収穫の楽しさを存分に味わえるという魅力も。
馴染み深いサトイモをぜひお家で育ててみてはいかがでしょうか?

関連する記事 こんな記事も人気です♪

プランターでも栽培できる初心者におすすめの夏野菜12選!春植えの夏野菜と育て方のポイントをご紹介!

プランターでも栽培できる初心者におすすめの夏野菜12選!春植えの夏野菜と育て方のポイントをご紹介!

気温が暖かくなる春から夏にかけて、家庭菜園を楽しむ方も多いのではないでしょうか。トマトやキュウリなどの夏野菜は難易度がそう高くなく、プランターでも栽培しやすいのが特徴的。そこで今回はおすすめの夏野菜や土作りなど、初心者でも上手に育てる方法をまとめました。
130,569 view
ラディッシュの育て方は?プランター栽培なら初心者も安心◎土作りや収穫のポイントも

ラディッシュの育て方は?プランター栽培なら初心者も安心◎土作りや収穫のポイントも

種まきからわずか1ヶ月程度で収穫できるラディッシュ。二十日大根とも呼ばれ、家庭菜園にはおすすめの野菜です。プランター栽培も可能で、病害虫にも強く初心者でも安心!気になる土作りや収穫時期、間引きの方法などを詳しく解説。育て方のポイントを見ていきましょう。
455 view
にんにくはプランターでも栽培できる!植え付けから収穫までの方法と、家庭菜園で上手に育てるコツとは?

にんにくはプランターでも栽培できる!植え付けから収穫までの方法と、家庭菜園で上手に育てるコツとは?

和食、洋食、中華料理と、どんな料理にも活用できるにんにく。そんなにんにくは、コツをつかめばプランターを使った家庭菜園でも育てることができる野菜です。にんにくの植え付けから収穫まで、栽培に適した土や肥料などのほかに、代表的な品種をご紹介します。
254 view
サツマイモの栽培方法は?初心者も安心!プランターでの簡単栽培・地植え向けマルチングの方法もご紹介

サツマイモの栽培方法は?初心者も安心!プランターでの簡単栽培・地植え向けマルチングの方法もご紹介

初心者でも育てやすいサツマイモは、家庭菜園におすすめ。地植えでなくても、ベランダでのプランターでの栽培も可能です。つまずきやすい土作りやマルチングについても詳しくご紹介。苗の植え付けから始める、失敗しないサツマイモ栽培のポイントをみていきましょう。
1,000 view
トマトの栽培方法とは?初心者でもベランダで栽培できる?プランターで育てるポイントをご紹介

トマトの栽培方法とは?初心者でもベランダで栽培できる?プランターで育てるポイントをご紹介

不動の人気を誇るトマトは、家庭菜園に欠かせない夏野菜です。品種も多く、鈴なりに実るのが魅力ですね。地植えに限らずプランターでも栽培しやすく、初心者が収穫の喜びを味わう第一歩としてもおすすめ。今回はベランダ菜園やプランターでの栽培のポイントをご紹介します。
858 view

この記事のキーワード