2019年1月15日 更新

クリスマスローズの育て方は?植え替え・株分け・肥料・種まき・土など、クリスマスローズの育て方をご紹介

うつむいて咲く姿がとても可憐なクリスマスローズ。控えめで気品ただよう花で、咲き方・花形・花色が豊富でとても魅力的。“冬の貴婦人”とも呼ばれ、バラに次いでファンの多い冬の多年草です。好みのクリスマスローズを手に入れて、冬枯れの庭をおしゃれに彩ってみませんか。

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クリスマスローズとは?どんな花が咲く?

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クリスマスローズは、冬の寒い季節に美しい花を咲かせます。無茎種(茎がなく、根茎から葉柄と花柄が別々に伸びる)のヘレボルスで、無茎種の原種を交雑させた園芸種です。

和名はクリスマスローズ。キンポウゲ科の植物で育てやすいことでも有名です。人気のある多年草で、多くは常緑です。日本で流通しているのは、オリエンタリスという品種です。

花色、花形の種類が数えきれないほど豊富。種で増やされている株は、1株ごとに異なる花を咲かせるため、同じ花が咲かないからこそ好みの花を探す楽しみがあります。クリスマスローズは有茎種と無茎種で花付きの違いがありますが、可愛らしい花を咲かせます。シックな色合いで、他の花・植物との相性も良く、上品で存在感があり、インテリアにも左右されずに様々なシーンで活躍できる「冬の女王」と呼ばれています。

寒さに強く育てやすいところがポイント。鉢植えにも地植えにも向いており、他の多くの草花に先駆けて花を咲かせて、冬枯れの庭を華やかに彩ります。

クリスマスの時期にバラに似た花を咲かせることから名付けられました。純真な心の贈り物として、キリスト教の逸話にも登場する神聖な花です。多くの逸話があり、その中の一つに、戦場に向かう騎士が恋人へ贈った花とされており、こうしたプレゼントが由来で「私を忘れないで」という花言葉が付いたのかもしれません。

クリスマスローズの種類

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クリスマスローズの名は、ヘレボルス・ニゲルの英名でしたが、日本ではこのニゲルを含めたヘレボルス属すべての品種をクリスマスローズと総称して呼んでいます。ヨーロッパ、西アジア原産の植物で、原種はノイガーの品種名で知られています。

クリスマスローズの有茎種の代表では、ヘレボルス・ニゲル、ヘレボルス・ヴェシカリウスが有名。無茎種の代表では、ヘレボルス・オリエンタリスが有名です。半八重咲き(セミダブル)、八重咲き(ダブル)の園芸品種もあります。

中でも希少品種とされる「ウィンターベル」はほとんど流通がなく、栃木の生産者、ジョルディ・カワムラさんのみ生産できる限定品種。小輪のベル咲きが可愛らしく、観賞価値も高いクリスマスローズです。

また、「氷の薔薇」という品種は、2017年ドイツ園芸見本市では最高賞を受賞したボリュームのある花姿が大変美しいです。

珍しい色としては、シングルブルーブラック。黒に近い色がシックで人気です。

種まきの仕方

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5~6月に熟した種を採取しすぐまくか(とりまき)、乾燥させないよう秋まで保存し9~10月にまきます(秋まき)。どちらも半日ほど種子消毒用の殺菌剤につけてから作業します。

発芽するまで日陰で管理し、乾燥すると発芽率が悪くなるので乾かさないようにします。種まきから育てる場合、大きくなり開花するには約2年かかりますので覚えておきましょう。

用土も少々異なり、一度使用した土を再度使用しないのが鉄則。他の種と重ならないようにまき、そっと土をかぶせて優しく水やりします。

苗の選び方

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クリスマスローズの苗が店頭に並ぶのは、10月初旬~11月末。苗には3種類あります。

開花株は、初花が咲いた状態で出回る5~6号ポットの苗。早くて12月、通常1~3月が開花時期です。開花見込み株は、シーズンで初花を咲かせる3年生株。こちらも5~6号ポットの苗です。ポット苗は、実生発芽から半年ほど過ぎた2~3号ポットに入っている2年苗。葉が極端に多い苗を避け、葉が大きく展開した苗を選びましょう。1年以上育てないと開花しません。

小さな芽しかないものは花が咲きにくく、芽が太く充実していれば花は咲きやすいでしょう。

病気に侵されていると葉が黒色になるため、変色や縮れのないものを選びましょう。花が咲いた状態の苗・メリクロン苗(クローン)を選ぶと、好みの花を入手できますよ。

クリスマスローズの育て方

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春夏秋冬の季節ごとに育て方のポイント(春夏秋冬×地植え・鉢植えのポイント)

・春(3~4月)
3月は本格的なクリスマスローズシーズン。すべてのクリスマスローズの花が咲き誇ります。最も旺盛に成長する時期なので、土表面が乾いたらたっぶり水やりをします。数週間は人々を楽しませますが、時間の経過と共に色あせてきます。

開花後、高確率で種子ができます。そのまま不要な種を付けてしまうと株が弱るため、種子を採取しないなら花首から切り取るか、種さやが膨らむ前にめしべ部分を切り取り、次の花にエネルギーを送りましょう。

開花株を地植えするには、直径・深さ共40cmほどの穴を掘り、腐葉土を5~6Lほど緩効性肥料を入れつつ土と混ぜ合わせ、株を植え込みます。夏には半日陰になるような落葉樹の下などを選びます。庭での地植えは5年に一回ほど、鉢植えは3年に一回のペースで植替えを行いましょう。4月下旬には強光に当らないよう半日陰に移動させます。

・夏(5~8月)
5月は、来春開花予定の株は花芽を作る準備期間。湿度が高くなり、気温の高低差も激しくなるため、鉢の置き場所に注意します。

花後のお手入れは、鉢植えの場合土を被せて新しい根の発生を呼び込みましょう。茎の根本5cmほど残し切り取ります。茎は自然と腐りますがそのままにしておくと、虫の住処となり病気になってしまうので、殺菌剤を散布しましょう。

梅雨時には、株の間の通風、根腐れ、害虫予防のため雑草取りを行います。鉢植えは、雨の降らない軒下や室内へ避難させます。

7月には、根は活動を休止して呼吸のみしている状態です。直射日光に当たらないよう遮光ネットなどで涼しい環境を保ちましょう。水やりは夕方以降が最適。鉢の中の温度が上がりすぎないように。花壇での地植えであれば、特に水やりの必要はありません。

・秋(9~11月)
花芽が葉芽に戻ってしまうので、新芽を守るために気温が高い時期に葉を切り取ることや肥料を与え過ぎないよう注意しましょう。9月末~10月末に、土中に保存していた種を高温処理してまきます。

10月には、日当たりの良い場所に置き、十分な日光を与えます。地植えの株周囲には、藁や落ち葉でマルチングすると株のつぼみを凍害から守ることができます。

・冬(12~2月)
花株を風の当たらない場所や軒下に移動させます。鉢が温まりにくくなるため、窓際に置いてある場合は、時々鉢を回転させ室内直射日光の当たる温度を平均化させましょう。苗の管理は、雪に埋もれさせ雪解けまでそのままにしておくか、暖房を付けていない室内に避寒させますが、乾燥し過ぎないよう注意。霜にだけは当たらないよう管理が必要です。殺虫剤の塗布は忘れずに。

前年春に購入したクリスマスローズは、1月に入る頃つぼみも大きくなり、開花の季節です。地植えの場合、株付近の汚れた葉は切り取り、マルチングしつつ花芽を守ります。地植え、鉢植え共に夏にできたつぼみが大きくなり、目立ってくるのは正月頃。水やりは、日光の当たる午前中行います。

2月には、様々な色の花が小首を傾げたようにはかなげに咲き始めます。乾燥しやすいため、2月の水やりは午前中に鉢底から流れ出るほどたっぷりと切らさないようにあげましょう。

肥料は?土は?病気対策は?

花ごころ クリスマスローズの肥料

花ごころ クリスマスローズの肥料

地植えの場合10月に緩効性の化成肥料を与えます。鉢植えの場合10月・12月・2月に緩効性肥料を与え、生育期である10~4月までに液体肥料を月に2、3回与えましょう。休眠期の夏や半休眠期の秋口に肥料を与えないように注意。
プロトリーフ クリスマスローズの土

プロトリーフ クリスマスローズの土

市販のクリスマスローズ専用土が便利ですが、自分で作ることもできます。鉢土は、水はけ・水もちの良い用土(赤玉土小粒4・軽石小粒3・腐葉土3の配合土など)で植え付けます。

地植えの培養土は酸度調節を行います。30cmほど穴を掘り、苦土石灰を100gほど腐葉土など有機物を2L入れて混ぜ合わせます。ポット苗は水を十分与え根は切らず、3,4株まとめて植えると見ごたえあり。
住友化学園芸 ベニカXファインスプレー

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病気は、灰色かび病・ブラックデスなど。過湿や蒸れると発生しやすいです。ブラックデスは黒い斑点ができ、最終的に株が枯れる感染力の強い病気で、株ごと処分する必要があります。また、ウイルス性の病気のため、ハサミからの感染も。菌が入らないよう、剪定に使用したハサミは1株ごとに消毒しましょう。

害虫は、アブラムシ・ハダニなど。春から秋に発生することが多く、見つけ次第防除しましょう。

開花時期

12~3月はクリスマスローズの開花シーズンです。地域に関係なく、梅が咲き始める頃開花し、桜が満開になる頃、満開を過ぎていきます。つぼみの状態でも美しいクリスマスローズ。長い間咲き続けるクリスマスローズを思う存分味わいましょう。

12月下旬~1月は園芸店などで開花したクリスマスローズがたくさん並ぶようになり、展示会も各地で行われます。

咲かない理由

・肥料切れ
地植えの場合、肥料切れの可能性が高いでしょう。忌地現象と言い、肥料をすべて吸い尽くしてしまうと起こります。

・株分けしていない
株によっては肥料を与えても株分けしても花が咲かないこともあるため、そうした場合には諦めるしかありません。

・暑すぎる・乾燥しすぎている
クリスマスローズは夏の暑さ、乾燥が苦手。冬の暖房の温風を直接当てないようにしましょう。土表面を乾かしすぎないよう注意します。

・根詰まりしている
鉢栽培では、根詰まりを起こしている場合も。根ぐされもあるかもしれないので根を確認しましょう。

・苗が若い
開花見込み株は、翌シーズンに確実に咲くという保証はありません。2~3年の株が販売されていますが、開花まで3~5年かかるものも。

植え替え

植え替え時期に適しているのは10~12月ですが、10~翌3月まで可能です。生育旺盛なため、二回りほど大きな鉢に植え替えましょう。

クリスマスローズは3年に1回のペースで根詰まりを起こすと言われており、植え替えは3年に1回と覚えておきましょう。根詰まりを起こさないよう、このサイクルでの植え替えは必須。植え替え方法としては、

1.根鉢をほぐして古土を落とします。
2.水の入ったバケツに根鉢をつけて古土をすべて落とします。
3.変色・傷んだ根は取り除きます。
4.新しい鉢にクリスマスローズを入れて元肥と土を入れます。深植えせず浅く植えて芽が隠れないよう植え付けます。

株分けの方法は?増やし方?

株分けの適期は10~12月ですが、11~翌3月まで可能です。あまり細かく分けると生育が悪くなるため、少なくとも3芽以上つくよう分けます。株分けすることで根詰まりもしにくくなります。

方法としては、古い株を抜き出したら割り箸などでつつき、古土を落とします。根は切らないように、カッターで茎の根元部分を切ります。これで株が2つになります。

クリスマスローズは、挿し木・挿し芽ができない品種です。増やす方法は株分けと種まきの2種類しかありません。

毒性に注意

可愛く美しい見た目とは裏腹に、クリスマスローズは全身に毒を持っています。直接触らないように、作業時は長袖・手袋着用で行いましょう。毒性のある茎・葉の汁が皮膚に触れるだけでかぶれ・炎症を起こします。

手入れ方法

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・花がら摘み
花後も花がら鑑賞できますが、汚れてきたら花がらを株元から切り取ります。種を取るなら、種の成熟を待ってから花がらを切り取ります。

・古葉取り(無茎種のみ)
秋に新芽が展開してきたら、古葉を付け根から切り取ります。適期は11~12月。葉切りをすると、開花時のクリスマスローズがより美しく見えます。

・枯れたら剪定
クリスマスローズは放っておいても見た目が整うため、形を整える剪定が不要。花が枯れた場合、根本からハサミで切り取りましょう。枯れたまま放置しておくと、害虫が現れ株の栄養が奪われてしまうため、手入れが必要です。

・支柱立て(有茎種)
風・雪の重さで茎が折れないよう、支柱を立てましょう。

寄せ植えの方法

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寄せ植えとは、異種または同種の植物を同じ鉢、地植えの場合は株元を近接して植えることです。ただ好きな植物同士を合わせるだけではうまくいきません。色のバランスや植物の環境に合ったものを選ぶ必要があります。

クリスマスローズと相性の良い寄せ植えの植物は、アジュガ・スノーフレーク・チューリップ・ユリなどがおすすめです。

切り花での楽しみ方

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切った後のクリスマスローズの花は、切り花として室内に飾るのも楽しみですね。形を維持しやすいため、ドライフラワーや押し花にも向いています。

異なる色や形をミックスして飾ったり、季節の花と組み合わせたり。アレンジもしやすく、インスタ映えするシーンも作れますよ。

クリスマスローズの育て方は難しくないのでおすすめ

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クリスマスローズは、植え替えも3年に1回のペース、1つの株を育てることができる多年草です。水やりや日当たりにさえ注意すれば、育て方も簡単です。

冬に寂しくなる花壇を彩ってくれる、冬に咲くクリスマスローズ。ぜひ、あなたもクリスマスローズを育てる楽しさを体験してみませんか。

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