枝豆の育て方とは?家庭菜園にも最適!プランターで栽培する方法って? 摘芯、支柱の仕立て方などポイントを詳しくご紹介!

2019年2月14日


「必ず訪れる幸福」「親睦」という花言葉を持つ枝豆。実は日本が食としての「枝豆」の発祥地であり、古き良き時代から愛されていた枝豆は、カルシウムやビタミン類・食物繊維も含むほど栄養満点で、品種も400種以上という豊富さです。そんな枝豆をご自宅で育ててみませんか?

枝豆の特徴

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枝豆とは?

暑い夏でも寒い冬でも、四季折々のどんな場面でも、塩ゆでしただけで美味しいオツマミに欠かせない、おなじみの枝豆。大人のみならず、子どもも大好きな野菜の1つとして人気ですよね。 枝豆とは、一般的な大豆を未熟な時期に収穫し、青いうちに食用にしたものを指します。「枝豆」という、大豆と別の植物が存在するわけではなく、植物としてが同一ですが、植物分類学上では大豆は「豆類」で、枝豆は「野菜類」という位置づけになっています。

枝豆の歴史

日本でも古くから親しまれている枝豆ですが、「枝豆」として食べ始めた時期は、奈良時代もしくは平安時代ではないかといわれています。当時は「生豆(なままめ)」と呼ばれていたのだとか。 それから、江戸時代の中期の文献には「枝についたままの枝豆を塩ゆでされたものが売られており、歩きながら食べる」という内容が記録されていたそうです。江戸時代では、それが夏の風物詩になっていたそうで、売っている側も「枝つき豆」「枝なり豆」という名前で販売していたことから「枝豆」という名前の由来になりました。 ちなみに、枝豆を食べるという文化はアジア特有の食習慣だったそうで、1991年に世界に出版された書籍で「枝豆はアジア特有の新作物」だと紹介されたそうです。2000年ごろには健康ブームや日本食ブームなどで「EDAMAME」として海外でも人気になっていきました。

栄養たっぷり美味しい枝豆の見分け方

枝豆は、畑のお肉といわれている大豆の子どもだけあって、栄養素もたっぷりあります。野菜の良いところと豆の良いところ、両方をいいとこ取りしているので、何気なく食べていた枝豆もますます好きになってしまうかもしれませんね。 枝豆には「タンパク質・ビタミン類・イソフラボン・鉄分・大豆イソフラボン・養蚕・食物繊維」などが含まれており、高血圧予防やアルコール分解にも長けているので、お酒のお供に欠かせない野菜なのも納得の1品です。 美味しい枝豆を選ぶには、きれいな緑色でフサフサの産毛におおわれていいるさやが、枝にたくさんついているものを選ぶことをおすすめします。枝付きで売られている方が鮮度も低下しないので、そこもチェックポイントです。

枝豆の品種・ブランド

鮮やかな緑色が特徴の枝豆は、品種が400品種以上もあるほど豊富です。種類の違いはというと、早世か晩生か、粒の大きさ、また、うぶ毛の色などがあります。 枝豆は大きく分けて3種類あり、「白毛豆(青豆)」「茶豆」「黒豆」がその代表となります。更に、毎年新品種の開発が行われているため、上記3つを更に掛け合わせて誕生した第四の種類のものなど、数多くあります。 ■白毛豆(青豆) 一般的にスーパーなどで出回っている種類の枝豆。主要産地は主に関東地方ですが、日本全国で最も多く生産されており、クセがなくて食べやすい枝豆です。 さやのうぶ毛が白いものは「白毛豆」と呼ばれており、種子が大豆色だったり薄い緑色だと「青豆」と呼ばれています。 ・主要ブランド 神奈川県三浦半島の枝豆生産団体「はねっ娘会」…「早乙女」 雪印が北海道で開発した「サッポロミドリ」 千葉小糸川流域…「小糸在来R」 ■茶豆・だだちゃ豆 実の薄皮が濃い緑色をしているものが「茶豆」、外側の産毛が茶色い豆を「だだちゃ豆」と呼びます。さやの中は2粒が多い品種で、収穫時期が8月上旬~9月中旬ごろと遅い品種です。 一般的な白毛豆よりも糖分を多く含むので、強い甘みとスイートコーンのような香りがするといった特徴があります。 ・主要ブランド 山形県鶴岡市「だだちゃ豆」 新潟県…「黒崎茶豆」「越後ハニー」 ■黒豆 関西地方で多く生産されており、薄皮がうっすらと黒いことが特徴。黒豆といえば、お正月の黒豆に多く使われている、京都の「丹波の黒豆」を思い出す人も多いのではないでしょうか。 収穫時期は茶豆よりも遅く9月下旬から10月中旬で、収穫時期も短いため生産量も少ないです。 ・主要ブランド 京都府丹波地方「紫ずきん」 兵庫県丹波地方「丹波篠山黒大豆」

枝豆の栽培時期

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全国でも栽培されている枝豆ですが、日本国内の主な産地ランキングは、1位千葉県・2位山形県・3位新潟県となっています。 そんな枝豆の栽培スケジュールは、日本の南にあたる沖縄県・四国・九州地方だと4月上旬~5月いっぱいまでが種まき・6月下旬~8月中旬までが収穫。 関東・中部・近畿・中国地方だと4月下旬~5月いっぱいまで種まき、7月中旬~8月いっぱいまでが収穫。 寒い地方の北海道・東北・北陸だと、5月中旬~6月中旬まで種まき、8月中旬~9月中旬までが収穫時期にあたります。 枝豆の収穫期間は極端に短く、前述したように、枝豆は大豆の若いころでの収穫になりますので、約1週間~10日間しか期限がありません。 また、茶豆や黒豆など品種が多い枝豆は、その品種によっても栽培時期が異なってきますので、栽培する前にしっかり確認してくださいね。

枝豆の栽培方法

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枝豆は、温暖な気候から少し冷涼な気候を好むので、生育適温は25~28℃になり高温には強い野菜です。ただし低温や霜に弱いので、その心配がない時期に種まきしましょう。 品種も多く、家庭菜園の初心者におすすめできる野菜の1つなので、日当たりや肥料などの基本的な栽培環境を守れば、収穫までたどり着くことが出来るでしょう。枝豆には紫や白の小さい花が咲き、そのあと枝豆ができます。 また、全くの初心者さんやベランダ菜園で栽培したい人には、栽培期間が75日~80日の極早種・早生種の品種(湯上がり姫など)を選ぶことをおすすめします。 害虫駆除のための黒いネットをかけたり、収穫量を増やし、病気に負けて枯れることのないよう断根したりといったことも、失敗を減らすコツです。

丈夫な苗の選び方

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枝豆はポット植えから育てると、失敗が少ないでしょう。枝豆の根は傷つきやすいので、優しく扱うことが大前提です。そのため、ポットから育てれば、プランターに移し替えるときの株の植え傷みを防ぐことが出来ます。 良い苗は、子葉と初期の葉の茎が太くしっかりと育っているものを選んでみましょう。徒長していない、葉の緑が濃い色の苗を選ぶこともポイントです。

種まき・苗の植え付け

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種まきをして栽培する場合、1番の注意点は、カラスやハトなどから種を守ることです。枝豆の種は大豆で、大豆にお水をかけて発芽させていくので、種まき直後はカラスやハトなどの天敵が狙ってきます。本葉が出るまでは油断しないように。不織布やネットなどの対策をしっかりしておきましょう。 種まきは、4~5月の種まき時期に、3号ほどの育苗ポットに種まき用の土をまいて2,3粒ずつ押し込んでいきます。種に土を被せたらたっぷりと水を与え、発芽まで乾燥しないように注意します。 基本的に水はけと水持ちの良い土なら土質は選びませんが、野菜用の培養土を使えば土作りは簡単です。 畑の場合は、植え付ける2週間前にコップ1杯の苦土石灰を施し、その後1週間経ったらに完熟牛糞椎肥と緩効性化成肥料を混ぜ込んで土づくりをします。

プランターでの栽培方法

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比較的、短期間で種まき・収穫できる枝豆は、どんなプランターでもしっかり育てることが出来ます。ベランダや庭でガーデニングを楽しむなら、見せるタイプの可愛い鉢でもOK。本気の枝豆大量栽培なら定番のプラスチック製の大きい鉢など、好みに合わせて選んでくださいね。 ■プランターでの栽培方法のポイント ・野菜用の培養土を用意すること。 ・少し大きめのプランターを用意すること。 (55×32×30cmのサイズで枝豆を4苗ほど育てることが出来ます) ・培養土が9に対して鉢底石の量は1。 ・種をまく間隔は15~20cm程度。

水耕栽培

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土を使わず、ペットボトル1つと土&液体肥料で植物を育てる水耕栽培。実は、収穫時期が短い枝豆も水耕栽培に適しているのです。 前述した「極早生」種類の品種であれば、ベランダガーデニングでも室内でも育てやすいので、畑やお庭で作る前に試してみたいという人には是非おすすめします。

初心者向け栽培キット

種から育てる えだまめ栽培キット 小ザル付き

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種から育てる栽培キットです。簡単に育てることができるので、収穫までの過程を観賞しながら楽しみたいという方にもおすすめです。

摘心・間引き

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「枝豆をより多く収穫したい!」という場合は、摘心してわき芽を伸ばすことで、より多くの収穫を見込んで栽培しましょう。品種にもよりますが、本葉が5,6枚程度になれば先端部分を摘み取ります。この時期は病気も心配なので、清潔な手か綺麗なハサミで摘み取ってください。 また、害虫ネキリムシが苗を狙いに来て全滅させないよう、間引きする際には1か所に2本残して育ててください。

支柱

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枝豆は上に向かってどんどん茎を伸ばしていくので、強風や豪雨にあたると倒れやすくなります。そのため支柱が必要になってくるので、草丈が30cm程度に生長してきたら支柱を用意しましょう。 ・枝豆の四隅に支柱を立て、麻ひもで支柱の周りを囲むように結ぶ。 ・株元の土を山高に寄せて、横に1mほどの支柱を立てる

水やり

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乾燥に弱い枝豆なので、水やりはしっかりと行いましょう。夏場の乾燥時期は、特に注意が必要です。 種まきの場合、気温の高い日に種まきをしてしまうと、蒸れることで種が全滅してしまう危険性もあります。植える前に土に水をまいておき、半渇きの状態になってから種をまきましょう。その後は水をまかずに、その湿気で発芽させると良いです。 天候に任せてもある程度は良く育つ枝豆ですが、枝豆のさやが膨らむ頃は、特に水分が重要になってきます。

土寄せ

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種まきから1ヵ月ほど経ち、草丈が10cmほどに育ってきたら、株間に追肥をして土寄せをし安定させます。

害虫、病気対策

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栄養満点の枝豆を栽培するにあたって、害虫駆除・鳥害対策は1番のポイントかもしれません。特にカメムシやアブラムシの被害にあうことが多く、花が咲くころに多くみられます。野菜用の薬剤で虫除けしたり、トンネル支柱や防虫ネットを使用したりして対策をとりましょう。

肥料

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土づくりのタイミングで、野菜用の培養土を使用したり、元肥でしっかりと対策していれば、枝豆はたくさんの追肥を与える必要はありません。 そして枝豆の根には根粒菌が付着して窒素を供給するので、窒素肥料は少なくしましょう。 花が咲き始めたら1週間に2~3回のペースで液体肥料を水やり代わりに与えると、収穫が期待できますよ。

収穫

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膨らんだサヤを指で押すと、豆が飛び出してくるようなら収穫のタイミングです。枝豆をおいしく収穫できる適期は3日といわれているので、実がなったら早速収穫しましょう! 「実が膨らまない」場合の原因としては ・開花時期に水分不足 ・虫による被害 ・日当たりがあまり良くなかった などがあげられます。

連鎖障害

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枝豆は連鎖を嫌うので、一度栽培した土や畑では、2~3年以上経たないと栽培することが出来ません。最初に種まきをするときには、どこで栽培するかよく確認しておきましょう。

大好きな枝豆をたっぷり収穫しよう!

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枝豆の栽培方法やコツについて、知りたいことは見つかりましたか? 枝豆は家庭菜園初心者にもチャレンジしやすい野菜の1つです。是非、この機会に枝豆栽培に挑戦してみてください。