大根(ダイコン)栽培のコツ!初心者でもプランターや露地栽培で失敗しない大根の育て方とは?

2020年8月8日


さまざまな地方品種があり、日本人に古くから親しまれている大根。
ビタミンB・C・D・Eなど、多くの栄養素を含む健康野菜としても有名です。
根だけでなく葉も食べられ、捨てるところがありません。
クセがなく、自分で栽培してさまざまな料理に活用して味わいたいものですね。

大根(ダイコン)ってどんな野菜?

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日本は世界一の大根消費国であることを知っていますか。
大根といえば、根菜類の代表です。
日本での歴史も古く、品種も数多くあります。
栄養的にも優れた野菜であり、煮物・漬物・汁の実・サラダといったさまざまな料理にも使用され、人気があります。
また、葉は根よりも栄養価が高いのが特徴的で、食物繊維などが豊富です。

 

大根には、根の上部が緑になる青首種と、白いままの白首種とがあり、近年は青首種が主流となっています。
形は、長いものから丸いもの、細いもの、先太り、中太りと実にさまざま。

プランター栽培もでき、家庭菜園でもよく育てられています。
発芽適温は、25度前後。
また連作障害はありますが、輪作ができるため何年も栽培できる便利な野菜でもあります。
輪作とは4~5区画に分けて栽培する野菜を毎年回転させていくことです。

大根の栽培は実は思っているより簡単。
初心者の方でも作りやすい、おすすめの野菜です。

大根の収穫スケジュール

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大根は冷涼な気候を好みますが、発芽温度は幅広いため春採り・初夏採り・秋採りができます(品種によります)。

 

ただし、春採りは芽が低温に当たり花芽が分化されてしまい、根に栄養が行き届かず、良い大根が収穫できないおそれがあることや、初夏採りでは、とう立ちや病害虫の発生が多く、生理障害が発生しやすくなるため、初心者の栽培には不向きです。

最もおすすめしたいのは、病害虫の発生が少ない「秋採り」です。
秋採りの場合、種まきの時期は「夏まき」といわれる8月下旬~9月下旬頃、収穫は10月下旬~12月上旬頃が良いでしょう。
大根栽培は種まきから収穫までの期間は、約60日~100日が目安です。(品種によって異なります。)

失敗しない大根栽培

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土づくり

大根は非常に根が深く伸びるため、保水力があり、排水性の良い土を探しましょう。
また、根の先端が障害物に触れると又根となってしまうため、土の塊・石・堆肥の塊などを取り除き、深い箇所までよく耕します。
大根は土中で太っていく野菜のため、丹念に耕しましょう。
pHは5.5~6.5が目安です。

 

市販の培養土を使用するのが簡単ですが、自分で土を作る際には、赤玉土6:砂2:バーミキュライト3に加えて石灰を用土10L当たり10g、化学肥料を用土10L当たり20g混ぜ合わせます。

露地栽培もプランター栽培も、種まきの2週間前までには土づくりを終わらせておきましょう。

地植えの場合は、30cmほどまで土は深く耕し、1平方メートル当たりコップ1杯(100~150g)の苦土石灰を混ぜ込んでおきます。
また大根は過湿に弱いため、高畝にします。

種まき

種はどれくらいの粒数?
大根は直根性なので、直まきします。
種まきは1つの穴(深さ1.5cmほど)に5~6粒を点まきします。
そこへ1cm程度土をかけて軽く押さえます。

 

どれくらいの間隔でまくのか?
株間25~30cm、畝幅60~70cmほど。

初心者が育てやすい品種をいくつかご紹介しましょう。

「耐病総太り」:秋まきのロングセラー。
収穫時期に失敗が少なく、甘みが強く歯ごたえも良いです。
家庭菜園初心者でも育てやすいですよ。

「YRくるま」:病気に強いです。上質で肉質的な味も特徴的。

「若桜」:家庭菜園におすすめ。肉質も柔らかく甘みがあります。

間引き

適期にまくと、2~3日で発芽します。
間引きのタイミングは以下の通りです。

 

1回目:子葉が完全に開き、形の良いものを残し3本立ちに。
2回目:本葉2~3枚の時、生育が中くらいのものを残し2本立ちに。
3回目:本葉6~7枚の時、元気のいいものを残し1本立ちに。

子葉のかたちが良いものは根形が良いといわれています。
そのため、子葉の形をよく見極めるとよいでしょう。

間引きを行うときは、丁寧に行いましょう。
大根の間引きは根を太らせるためのポイントとなりますので、適期を逃さぬよう注意します。
間引き時は、ハサミを使って地際で株を切ります。
間引き後は、株元に軽く土寄せをします。

追肥(肥料)

追肥のタイミングは、2、3回目の間引き後に株の周囲に化成肥料ひと握りをばらまきます。
土と軽く混ぜながら株元に土寄せします。
間引き後は株がふらつきやすくなっています。
倒さないように優しく土寄せを行いましょう。
また、肥料が株にかからないように注意してください。

 

2回目の追肥では、3回目の間引き後に化成肥料を同量与えます。
大根は多肥性の野菜のため、肥料切れを起こさないようにするのがポイントです。

水やり

プランター栽培:土の量が限られているので、乾燥するのが早いです。
土表面が乾燥しないよう注意します。
雨が降り続き過湿していると根が腐ってしまうので、プランターの置き場所を移動させたり、土をよく観察させたりして水やりをします。

 

露地栽培:発芽までは乾燥しないよう毎日水やりを行います。
発芽後は水やりのタイミングで多湿にならないよう量に気を付けますが、大根が肥大していく時は水分を必要とするため、水切れしないようにしましょう。

おすすめの液肥

 メネデール やさい肥料原液 1L

 

メネデール やさい肥料原液 1L

生育期間中に1週間に1回程度、鉢底から流れ出る程度に液肥をまきましょう。
特にマグネシウムやカルシウムを強化している液肥なのでおいしい健康野菜作りにおすすめです。
メネデール やさい肥料原液 1L
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大根の収穫

秋採りの収穫の適正時期は、種まきから60~90日です。

 

収穫のサインとしては、外葉が広がって垂れており、中心部の葉が開いてきた時です。
収穫後は、すぐに葉を切り落としましょう。
葉が付きっぱなしだと養分が葉に吸い取られて味・栄養価が落ちてしまいます。

おいしい大根の見極め方としては、側面に小さな窪みが縦に並び、そこから細く短い根が生えています。
この根が1列の等間隔に並んでいれば生育が順調で美味しい証です。
逆に間隔が狭かったり、広かったりと均一ではない場合は、生育条件の見直しをしてみましょう。

大根栽培におけるトラブル

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害虫

害虫は、アオムシ・ヨトウムシ・キスジノミハムシなどに注意しましょう。
アオムシ・ヨトウムシは葉を食害、キスジノミハムシは成虫が葉・幼虫が根を食害し、食痕は軟腐病の原因にもなるので要注意です。

 

発芽時に適宜薬剤で予防もしくは、発生初期に駆除する必要があります。

 

スプレータイプの殺虫剤

ベニカベジフルスプレー 1000ml

 

ベニカベジフルスプレー 1000ml

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病気

萎黄病:下葉から黄化・萎縮・奇形ししおれていきます。
軟腐病:水浸状になり、軟化し悪臭を放って腐敗します。
べと病:葉に黄色い病斑ができて裏側にはカビが発生します。

 

病気の原因は多湿によるものがほとんどであり、畑で栽培する際には、高畝栽培が良いでしょう。プランターであれば、鉢底石など敷き詰め水はけを良くしましょう。

またアブラナ科のだいこんには、ウイルス病をもってくるアブラムシもつきやすいです。
こちらも殺虫剤や防虫ネットでしっかり予防しましょう。

 

防虫や病気の防除におすすめ

アーリーセーフ 100ml

 

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生理障害

ス入り:切ると中がスカスカ。暖かな秋で生育が進みすぎたり、肥料切れを起こしたりした場合発生しやすくなります。
又根・岐根:二股の大根。根が障害物や高濃度の肥料に接触すると起こります。
ホウ素欠乏症:大根には多くのホウ素が必要なので、欠乏すると表面に亀裂が生じ褐変します。

 

これらの生理障害を発見した場合、上記で紹介した薬剤や殺虫剤を適度に使用しましょう。

葉の部分にも栄養たっぷり!おいしく調理しましょう

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新鮮な収穫したての大根なら、葉の部分も栄養たっぷりで美味しく食べられることができます。
緑黄色野菜に分類されるほどに、実はたくさんの栄養が詰まっているのです。
ビタミン類・葉酸・カルシウムなどたっぷり含まれており、ぜひとも食べなければもったいないですよね。

 

ごま油で炒めるだけでも立派なおかずの一品に。自分好みにアレンジしつつ、美味しい大根レシピの幅を広げましょう。