ビオラの育て方とは?冬越しは大丈夫?春の寄せ植えに欠かせない! ビオラとパンジーとの違いは何?

2022年1月13日


寒い冬でも、街中で咲く色とりどりの小さな花「ビオラ」。別名「花壇の女王」と言われるビオラの品種は実に多く、毎年新種が出るほど。他の草花とも相性が良く、その強さはガーデニング初心者の栽培にもおすすめです。パンジーを経験した方は、次はビオラに挑戦してみましょう。

ビオラとは?

ビオラの特徴

ビオラはスミレ科スミレ属に分類される一年草で、主に秋から春にかけて長く咲くお花です。冬にお花を咲かせる代表の草花として有名です。季節をほとんど選ばずに咲き続ける強さから、初心者の栽培にもおすすめのお花です。ビオラの名前の由来は、ギリシャ神話にあります。
ギリシャ神話の中で、神ゼウスが少女イオの為に紫色のスミレを咲かせました。少女イオは透き通るような紫色の瞳をしていたそうです。そして、スミレはラテン語で「viola(ビオラ)」と呼ぶことから、同じスミレ科スミレ属の小さい品種はビオラと呼ばれるようになったと言われています。
4cmほどの花弁を3枚つけ、花丈は小さく10cm~30cm程度です。また、ビオラの色が豊富で丈夫!育てやすく品種は様々あり、毎年新種が作り出されているほど多くあります。

ビオラの基本情報

●植えつけ
ビオラは丈夫な草花なので、地植えでも鉢植えでも栽培は可能です。ただし、ビオラは暑さに弱いため、苗の場合だと10月より前に植え付けてしまうと弱ってしまう恐れがあります。10~11月の時期に、日当たりの良い場所に苗を植えるのがおすすめです。

 

●種まき
種を購入した場合は、一旦冷蔵庫の野菜室で冷やしましょう。開花する時期を揃えることが出来ます。9月中旬ごろから下旬にかけて種まきをすると、年内にはお花を咲かせてくれるでしょう。

●剪定
一年草のビオラは、お花を咲かせる時期が長いため、根や葉が伸びすぎたり枯れたりして他の草花を邪魔してしまう場合があります。したがって定期的に剪定したり、良い状態をキープしておくと綺麗にお花を咲かせてくれます。
花がら摘み(咲き終わってしまったお花を摘むこと)をこまめに行うことがポイント。花がらを摘む作業が、花数の増加にも大きく影響すると言われています。

●開花
秋から春にかけて咲いているため、10月下旬~翌年5月頃までは綺麗なお花を咲かせてくれます。種から育てる場合、温度管理などをしていけば、開花時期をうまくコントロールすることが出来ます。

●収穫期
ビオラのお花も落ち着いてきた4月頃が収穫期です。種が弾けてしまう前に収穫してしまいましょう。種のさやが下を向いているものが上を向き始めたら収穫の準備。お花の軸が真っ直ぐになっていて、種袋が膨らみ、中の種がほんのり茶色くなっているところがうっすら見えたら収穫します。
ティッシュにふんわり包んでおくと、1日~2日で種がはじけます。

ビオラに適した環境?

ビオラの置き場所は?

ビオラは太陽が大好きなので、なるべく風通しがよく日当たりのいい場所に置くようにしましょう。日当たりの悪い場所で栽培すると、茎だけ間延びしてしまうだけでなく、お花が咲きにくくなることも。そのため、北向き以外の場所に置いて管理するようにしてください。

 

冬の寒さに強いビオラは、霜に当たっても枯れることはないため、防寒対策は必要ないといわれています。ただし、冷たい風が直接当たる場所で育てると葉が紫へと変色してしまうことがあるため、注意が必要です。

また、ビオラは高温多湿には弱いため、9月頃に苗を買う場合は、涼しい場所に置いてあげるといいでしょう。

用土

ビオラは弱酸性の土を好みますが、極端な酸性やアルカリ性にならなければ中性でも育ちます。これは種をまく場合でも同じです。 土が雨に当たることによって自然に弱酸性に傾いていくため、ペーハーに関してはあまり気にしなくてもいいでしょう。

 

用土は、培養土を自作することもできますが、一般的なお花や野菜用の培養土や、パンジー・ビオラの専用土を使用すると簡単です。自作する場合は赤玉土・腐葉土に加えて肥料など、それぞれ別々に用意する必要がありお金も手間もかかってしまうため、他の植物でも利用できる培養土を使うのが一般的です。

ビオラの育て方の基本

水やり

冬に咲くビオラは、午前中の日が出て暖かくなってくる頃に、たっぷりと水やりをするのが大切です。早朝や夕方以降に水やりをしてしまうと、寒い地域だと凍ってしまったり、霜になってしまったりとトラブルが増える可能性も。また午後に水やりをすると、寒くなる夜までに水が乾かない場合もあります。なるべく午前中の気温が上がり始める時間帯に水やりを行いましょう。

 

水やりのポイントは、土をよく見ること。表面の土をよく観察し、乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。「冬場は寒いからいいかな…」となりがちですが、植物にも乾燥は大敵です。

肥料を追加するタイミングは?

ビオラは冬の間ずっとお花を咲かせるため、土の養分が途中で足りなくなることがあり、肥料が欠かせません。種や苗を植えるときに使われる培養土には肥料が含まれていますが、それだけでは長くお花を咲かせることができません。株が大きくなる12月頃と、お花がたくさんつき始める2月頃など、生育に合わせて追肥をしましょう。

 

ただ、ビオラの根は繊細なため、肥料が多すぎると根が傷んでしまって養分を吸えなくなったり、枯れてしまったりすることがあるため要注意です。
肥料が不足しているときのサインは、葉にあらわれます。元気なビオラの葉は深緑色をしていて、ハリがある状態です。一方、葉が青くなってしまっているときは、肥料が足りないサインです。その際は、即効性のある液肥を10日に1回の割合で与えてあげるとよいでしょう。

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病害虫について

●ビオラのおもな病気……灰色カビ病、斑点病、菌核病など

 

【灰色カビ病】
草花だけでなく、果物や野菜などの幅広い植物の、葉・茎・花などの地上部分に発生する病気です。白色や褐色などの小さな斑点が増え、やがて全体がカビてしまいます。
灰色カビ病になる原因の一つに葉が乾かないという点があるため、水やりは午前中に終わらせ、しっかり葉を乾かしましょう。

【斑点病】
葉っぱや草に、小さな褐色の斑点が増える病気です。窒素成分の多い肥料を与えすぎると発生する恐れがあり、追肥を行う場合は成分をしっかり確認しましょう。

【菌核病】
茎に白いカビと黒い菌核が発生する病気です。発病したら枯れてしまう上に、菌核は土壌でも数年生き続けるので、もし発生してしまった場合は培養土ごと破棄する必要があります。地植えの場合は、数年間は栽培することを控えた方が良いでしょう。

●ビオラに出る虫……アブラムシ、ナメクジなど

【アブラムシ、ナメクジ】
冬から春になって、暖かくなってくると出てくるのがアブラムシやナメクジ。アブラムシがつくとウィルスの原因にもなるため、殺虫剤を使用して早期駆除を心がけましょう。花がら摘みをし、こまめにチェックするのもおすすめです。

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ビオラの詳しい育て方|お花を長く楽しむための「花がら摘み」とは?

苗から育てる場合

【植え方】
1.購入した苗に痛んだ部分はないかチェックして、あれば取り除きましょう。
2.ポットから取り出したら、根を四方にしっかりほぐします。
3.植えたい場所に10cm~20cm間隔で植えましょう。
4.周りに土を入れて隙間がないようにします。
5.土が乾いたら水をたっぷりとあげましょう。

 

【ポイント】
1.パンジー・ビオラ専用培養土ではない場合、ビオラは酸性土を嫌うため、石灰肥料を撒いて土壌酸度を調整してあげると良いでしょう。
2.プランターに植える場合は、苗と苗の間隔は15~20cmほどあけてください。

種から育てる場合

ビオラの種は、8月下旬~9月上旬にまくとよいでしょう。あまり秋にずれこんでしまうと、苗が育つ前に寒い時期が来てしまい、開花が遅れる場合があります。8月中に種をまいておけば品種によっては年内からお花が楽しめます。ただし、発芽温度は20℃前後なので、暑い時期は風通しのよい日陰に置きましょう。発芽したら日光が充分に当たる場所に移動させるのがポイントです。

 

【植え方】
1.種は植える時期まで、冷蔵庫の野菜室で寝かせておきます。
2.ビオラの種は約1mmですので、土も約1mmほどかけましょう。
3.本葉が2~3枚になったら移植します。
4.割りばしを使って、土ごとそっと掴み出し、そっと1本ずつ分けます。
5.あとは苗から育てた場合と同様、水やりをしましょう。

【ポイント】
1.植えたての時は、スプレーで水やりをすると簡単に行えます。
2.種を植える時は、空の卵パックを使うと栽培しやすくおすすめです。
3.種を選ぶ際、種を水を張ったバケツに入れてみましょう。「沈んだ種」は、中身が詰まっている証拠なので、発芽しやすいと言われています。

ビオラの種をまく際は花壇や鉢に直接ではなく、ポットなどを使うようにしましょう。1か所に1粒ずつまいても、一度に数粒まいて発芽後に間引いてもどちらでもOKです。

長くお花を楽しむためにおこなう「花がら摘み」とは?

花がらとは、咲き終わったお花のことです。ビオラのお花の見ごろが終わると、花びらがシワシワになり、やがてくるんとカールした状態になります。その状態が花がらです。
草花はお花が終わった後に種をつけるので、お花をそのままにしておくと、種をつけることに栄養がつかわれるため、お花は次第に少なくなります。その前に花がらを摘んであげることによって花つきがよくなり、次々とお花を咲かせるのです。

鳥かごラウンド

黒いアイアンと、上部の天然木が味わい深い、鳥かごをモチーフにしたプランツケージ。
鳥かごのように小窓が付いていて開閉できるので、その窓を開けて中の植物に水やりもできます。
また、上下にも開くようになっているので、植物や小物を飾る時もラクラク。
てっぺんのリングを使えば高いところから吊るして使うこともできます。

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気分はホントに昔の鳥かごのよう。あなたなら何を飾りますか?
植物だけでも素敵ですし、LEDキャンドルなどと合わせたり、お気に入りのポストカードを
クリップで付けて、デコレーションしたりとインテリアのディスプレーにおすすめです!!

パンジーとビオラの違いは?

パンジーとビオラは学術的には同じ品種であり、はっきりとした違いはありません。しかし、園芸の世界では、花びらが大きいものをパンジー、小さいものをビオラとして区別している傾向にあります。一般的には5cm以上のものをパンジーと呼ぶことが多いようです。(5cmをこえるビオラも存在します)

 

パンジーとビオラの見分け方は大きさ以外にも諸説あるようですが、
・パンジー:5枚の花びらのうち、1枚だけ下向きについている
・ビオラ:5枚の花びらのうち、2~3枚下向きについている

という説もあるようです。パンジーやビオラを見かけたら、花びらの向きにも注目してみてくださいね。

食べられるビオラ☆エディブルフラワー

エディブルフラワーとは?

エディブルフラワーとは、食用として育てられているお花のこと。観賞用のお花の場合は植物そのものに毒性があったり、育てられる段階で食用不可の農薬が使われていることがあります。しかしエディブルフラワーは農林水産省のガイドラインに沿って育てられており毒性はありません。

 

味は種類によって異なりますが基本的にはあまりクセのない、淡白な味のものが多いです。
もちろんクセのあるものもありますが、育てるときの光量、水分量の調整により特有のえぐみや苦味を取り除く取り組みも広がっています。

エディブルフラワーは観賞用のお花とは違って食用として育てられるため、観賞用とは全く違う育て方をします。観賞用と食用を一緒に育てるのはNG!
もし分けずに育ててしまうと、観賞用のお花の栽培のために使用していた農薬が付着したり、毒性のあるお花と混ざってしまう可能性があります。そのような事態を防ぐために必ず分けて栽培する必要があります。食用のお花を育ててみたい方は必ずエディブルフラワー用の種や苗を買いましょう。こちらは野菜の種や苗と同じく、食べる前提で生産しているので安全です。また、移動させやすいプランターなどで育てるとよいでしょう。

因みに、パンジー・ビオラの花びらは、クセがなくさっぱりした甘さですよ!小さくて可愛らしい花びらと花色の種類が多いこと、さらにクセのない味でどんな料理にも合わせやすいということから、とても人気のお花でサラダの彩りに使ったり、ケーキやお菓子などを華やかにしてくれます。

ビオラの魅力に癒されよう

いかがでしたでしょうか?植え付け方や花がら摘みなど、綺麗に咲かせるポイントをしっかりおさえれば、初心者でも安心して栽培できるビオラ。寒さに強いビオラを、冬に入る前に植えておけば、寂し気になりがちな冬の花壇も色鮮やかになり、気持ちも明るくなりそうですね!また、ビオラ単体で植えても素敵ですが、他の植物と組み合わせて寄せ植えして楽しむこも!!その場合の寄せ植えするポイントは、似たような環境を好む植物と組み合わせること!!秋植えであれば、耐寒性のあるシロタエギクやヒューケラ、チェッカーベリーなどを、春植えであればアリッサムやバコパを合わせるなど、植える時期によく出回っている植物を選ぶと失敗が少ないでしょう。1年ごとにいろんな組み合わせで楽しんでみてはいかがでしょうか。ビオラは食用のもがあったり、押し花として楽しむ事もできますので、ご自宅で育てることから楽しさを体感してみてください。色とりどりのビオラと共に、寒い冬も乗り越えましょう。