スナップエンドウ(サヤエンドウ)の失敗しない育て方とは?プランターでもできる栽培方法のコツをご紹介

2019年8月7日


その長いツルをどんどん伸ばして可愛らしいプックリとした実をつけることから「いつまでも続く楽しみ」「必ずくる幸福」という花言葉をもつエンドウ。 家庭菜園の初心者でも挑戦しやすいので、苗からプランターで育てて、春の訪れとともに丸々とした実を収穫するのも楽しいですよ。

スナップエンドウ(サヤエンドウ)ってどんな野菜?

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スナップエンドウ、エンドウマメ、サヤエンドウ、グリーンピース。この違いは何でしょうか。 まず、マメ科の1,2年草で広く栽培されているものが「エンドウ」になります。 そのエンドウの豆を食べる「実エンドウ」と、豆が大きくなる前に若どりしてサヤごと食べる「サヤエンドウ」に分かれます。 完全に熟して豆として収穫する・若サヤだけど豆が膨らんでから収穫する・若サヤのままサヤごと食べるのかで品種の違いが出てくるのです。 スナップエンドウはアメリカで生まれて日本に伝わってきました。 「スナックエンドウ」とも呼ばれていますが1983年に農林水産省により「スナップエンドウ」が正式名称として統一されました。 スナップエンドウの栽培は初心者でも育てやすく、家庭菜園むき代表の野菜になります。 秋に種をまいて春に収穫しますが、適期をしっかり守って育てることが重要ポイントになります。 畑やプランターでも簡単に育てることができるので、家庭菜園初心者の方も安心してチャレンジしてくださいね。

スナップエンドウの収穫スケジュール

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種まきの適期は10月中旬から11月上旬ごろになるエンドウ。 2週間以上前から土づくりを開始して、畝立てまで終わらせておきましょう。 耐寒性が弱いエンドウでは、秋まきでは草丈が10㎝ほどで越冬できるように種まきを調整することが重要なのです。 エンドウの発芽適温は15℃~20℃前後となり、開花から収穫期まで、できるだけ適温期間になるようにしましょう。 どの品種でも、収穫は関東から南だと春から、北海道など冬の寒さが厳しい地域では初夏の涼しい季節になります。 また連作は厳しい野菜になるので、エンドウを3~4年作っていない土を選んで栽培してください。

スナップエンドウの品種

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・つるなし種 スナップエンドウのメジャー版はつるなし種です。 草丈60~70㎝になるコンパクトなタイプですが、長い支柱が必要ないため管理がしやすいので、深さは25㎝以上のプランターならば気軽に育てられますよ。 ・つるあり種 草丈は120㎝程度になり、収穫が多く長く収穫することができます。 ツルが伸びてきて15㎝~20㎝の頃に2mほどの支柱を立てましょう。 両方とも味や育て方には違いはありませんが、初心者には「つるなし」がおすすめです。 またスナップエンドウは発芽しやすい野菜なので、種からでも育てやすいです。

失敗しないスナップエンドウの育て方

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土づくり

酸性土壌を嫌うスナップエンドウの土づくりに欠かせないポイントは「酸度調整」になります。 そして連作障害に弱いので、3~4年はエンドウを作ったことがない土地を選びましょう。 植え付けの2週間前までには、畑に苦土石灰100~150gを全面に散布して耕し、種まきの1週間以上前には椎肥と元肥を施して再度耕しておきます。 スナップエンドウには、水はけと水もちのバランスの良い中性~弱アルカリ性の土が適しています。

種まき(植え付け)

スナップエンドウの種まきは10月中旬から11月中旬に行い、耐寒性の強い15~20㎝の幼苗で越冬するようにします。 種を撒くタイミングが早すぎると生育が進み過ぎてしまい寒さに耐えられなくなってしまいます。 逆に遅すぎてしまうと気温が高くなってしまい、ツルが枯れやすくなってしまったり収穫時期が短くなってしまったりしています。 種は1か所に4~5粒まいて、本葉が2~3枚になってきたら30㎝間隔になるように植え付けていきましょう。 苗から育てる場合は、苗を年内に大きくしすぎないことがポイントです。本葉3~4枚ほどの小さな苗なら越冬もできるので、本葉のしっかりした小苗を選んでください。

園芸支柱立て

つるありは約2m、つるなしは約1mの支柱を用意しておきましょう。 つるなし種であれば支柱1本でもあれば十分育てることができます。

間引き

間引きは本葉3枚ほどのときに1本間引いて、2本立ちにしましょう。 ツルを伸ばしっぱなしにしていると、スナップエンドウのみ実つきが悪くなってしまったり味が落ちてしまったりすることも。 根元から伸びる親ヅルと、そこから伸びる子ヅルは残し、孫ヅルは早めに摘心していきましょう。

追肥

過度に肥料を与える必要がないスナップエンドウは、支柱立てをする3~4月上旬と、花が咲き始める4月ころの2回、一握り程度の追肥を行ってください。

水やり

水分の多い土を嫌うスナップエンドウは、水のやり過ぎにも注意が必要です。 鉢やプランターで育てている場合は表面が乾いてから、たっぷり水やりを行いましょう。 地植えの場合は、葉っぱが萎れてきたと感じたら水をやります。

スナップエンドウの収穫

開花から20日~25日ほど経った頃がスナップエンドウの収穫のタイミングになります。 秋まきの場合、時期でいうと翌年の4~5月頃になります。 さやの中の実が、しっかりとふっくらしてきて、全体がぷっくりと膨れてくるまで待ちましょう。 サヤが緑色になり実が十分にふっくらしてきて、表面の部分にシワが寄ってくる前に収穫です。 実が膨らむ前だとサヤエンドウ、表面にシワが寄ってからの収穫だとグリーンピースになりますよ。 収穫したら、サヤごと袋に入れて野菜室で保管してくださいね。

スナップエンドウのおいしい食べ方

ポリポリとした食感が楽しく、塩ゆでしただけでも美味しいスナップエンドウ。 主役にもなれば彩りにも欠かせない野菜ですよね。 基本の塩茹で方法は、ヘタとスジをとり、熱湯に塩を入れて30秒ほど茹でれば完成です。 ・スナップエンドウのアーリオ・オーリオ 1.スナップエンドウを固めに塩茹で 2.オリーブ油・みじん切りのニンニク・輪切りにしたタカノツメと一緒にフライパンにかける 3.塩ゆでしたスナップエンドウを入れて塩コショウ ・スナップエンドウの醤油煮 1.スナップエンドウは筋を取る 2.鍋にだし汁(2分の1カップ)・砂糖(小1)・みりん(大1)・醤油(大3分の2)を入れて汁けがなくなるまで煮詰める

スナップエンドウ栽培のトラブル

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害虫

第一の敵は鳥です。 種まきをしてから食べられないように防虫ネットや不織布でトンネルを作りましょう。 害虫が産卵することも防ぐので一石二鳥です。 葉にはエカキムシやハモグリバエ、新芽にはヨウトウムシ、アオムシなどの食害にあいます。 家庭菜園用の殺虫剤で対応しましょう。

病気

スナップエンドウがかかりやすい病気はうどんこ病です。 病気にならないためにも、予防をしっかりしましょう。 連作の土を避ける、水はけの良い土づくりにする、pH6.0前後になるように石灰をまく、チッソを与えすぎない、病気になった場合は薬剤を適宜使うようにする、など一つ一つチェックすることが重要です。

生理障害

過湿に弱いスナップエンドウには、湿害が発生することがあります。 また、連作障害もあるので、マメ科の野菜を育てた土では、同じように栽培しないように気をつけてください。 「立枯病」といって栽培中でも途中で黄色い葉になってしまったり、急にツルが折れてしまって育たなくなってしまったりすることもあります。 そして寒さにも弱いので、霜が降りるなどの天候の場合は霜柱をつぶしておきましょう。

コツをつかんで上手にスナップエンドウを育てよう!

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見た目も可愛らしいスナップエンドウは、大人も子どもも美味しく食べられる野菜ですよね。 ベランダ菜園でも十分収穫できるので、家庭菜園初心者にもおすすめです。 コツを掴めば美味しく栽培できるスナップエンドウに、ぜひチャレンジしてみてください。