アボカドの栽培方法とは?初心者でも簡単!種の水耕栽培から育て方までご紹介

2020年5月25日


さまざまな料理に合う「アボカド」は栄養価が高く、脂肪分も多く含み「森のバター」とも呼ばれています。そんなアボカドを、自宅で栽培してみたくはありませんか。土栽培だけでなく水耕栽培も可能で、観葉植物としても楽しめます。初心者でも簡単、種からの育て方をご紹介します。

アボカドとは?

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アボカドの特徴

学名:Persea americana 和名:ワニナシ その他の名前:バター・フルーツ 科名 / 属名:クスノキ科 / ワニナシ属 原産地:中央アメリカ(主にメキシコ) 草丈:7~20m 収穫期:11月~12月 受粉樹:必要 耐寒性:やや弱い 耐暑性:普通 特性:常緑性 用途:観賞用、食用 とろけるような濃厚な味わいが特徴的な果実で、「森のバター」とも呼ばれるアボカド。 野菜と思われている方もいるかもしれませんが、洋ナシのような実がなる果物の一種です。 高エネルギーで栄養豊富であり、世界一栄養価の高い果物ということで、ギネスブックにも認定されているほどです。 20%ほどある脂肪分はオレイン酸で、コレステロールを減少させ血液をサラサラにしてくれます。 また、豊富な食物繊維が含まれており、女性にうれしい整腸やダイエットにもおすすめです。 美容にも良いビタミンEも豊富に含まれています。 美しい葉色は、観葉植物としても一役買ってくれそうです。 スーパーで購入したアボカドの種を水耕栽培などで発芽させ、家庭で簡単に育てることも可能ですよ。 水栽培は、ペットボトルやスタバのフラペチーノの容器を利用できるので非常に便利です。 花は両性花で、小さくて黄色い花が無数に咲き誇ります。 受粉は、雄しべと雌しべの成熟期が異なるため、結実が難しいので、異なる2本の栽培が良いでしょう。

アボカドの種類

アボカドは世界に3,000種以上はあるとされています。 その中でも、特に代表的な3種類を紹介していきます。 ・ハス種 日本に輸入される多くのアボカドは、このハス種。 食べごろになると皮が黒く変色し、小さめサイズで香りが強く、濃厚な味です。 耐寒性や耐暑性にも優れており、日本にも多く輸入されることから、最も育てやすく人気の品種と言えるでしょう。 ・ベーコン種 メキシコ系とグアテマラ系をミックスした品種。特徴は、実が熟しても皮が緑色のままであること。 濃厚な味で、果実のサイズは大きめ、なめらかで上品な味が美味しいと評判です。 ・フェルテ種 メキシコ系とグアテマラ系の交配品種。 世界の中では、ハス種の次に生産量が多いフェルテ種。 耐寒性がないため、冬場は温室や室内で育てることになります。 果実は大振りで、深くコクのある味が特徴的です。

アボカドの栽培スケジュール

・植え付け期:5~6月 ・収穫期:11~12月 種から水耕栽培で育てることも可能ですが、簡単なのは鉢植えで発芽させる方法です。 種は20℃以上で発芽するので、5~9月頃に準備を始めましょう。 成長が早いので、2年に一回は植え替えをします。 植え替えは5~6月が最適です。

アボカドに適した環境

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アボカドの置き場所

・鉢植え リビングの窓際など、日当たりが良いところを好みます。 ・地植え 北風が当たらない、日の当たる場所を選びましょう。 どんどん大きくなりますので、ある程度のスペースが必要になります。 耐寒性は比較的弱いため、霜が降りるほど冷える地域では株元付近に腐葉土を盛って、根に霜が当たらないよう注意する必要があります。 成木は耐寒性がありますが、若木は寒さに弱いので、1年くらいは鉢植えで、冬は室内に置いた方が良いでしょう。 生育適温は、15~33度となります。

アボカドの用土

酸性で、水はけの良い土を好みます。 配合する場合は赤玉土小粒7:腐葉土3の割合で良いですが、市販の観葉植物用の用土で十分です。

手が汚れにくい粒状培養土

ゴールデン粒状培養土 観葉植物用

ゴールデン粒状培養土 観葉植物用

植物の生育が非常によく、保水・通気・排水性も良好の培養土です。 粒状なので手につきにくく、初心者にも扱いやすいでしょう。

アボカドの育て方

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アボカドの種まき

市販のアボカドの種を、調理後栽培して発芽させ、育てることも可能です。 発芽は20℃以上が良いため、5~9月頃がおすすめです。 ・鉢植え: 鉢植えでの土栽培は水栽培よりも簡単で、種を半分ほど土に埋めて、用土は乾燥させないように注意します。 ・水耕栽培:まず種を洗ってから、楊枝を3~4本さし、容器に固定させます。スタバのフラペチーノ容器などでも代用可能です。種を半分ほど水に浸せましょう。水耕栽培は育つ過程を見ることができるため、面白く楽しく育てることができますよ。

アボカドの植え付け

用土が乾燥しないように管理します。 発芽が始まると成長が早く、樹高も25mに達するほどにまで育つほど大きく成長していきます。 水耕栽培で根がしっかり生えてきたら大きめの鉢に植え付けましょう。 若木は倒れやすいので支柱を立てて支えることが大切です。 育て始め~半年ほどで植え替えると良いでしょう。

カラーバリエーションが豊富

Ecoforms(エコフォームズ) ポットノバ8

Ecoforms(エコフォームズ) ポットノバ8

観葉植物に最適です。 カラーバリエーションも豊富で、インテリアや家の外観にも馴染むでしょう。

アボカドの水やり

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夏場、生育期は水切れを起こしやすいため、土が乾いたら水をたっぷりとあげましょう。 冬場は根腐れを防ぐため、土の表面が乾いたら水をやる程度で、夏ほど頻繁に水やりはしません。 地植えの場合は、定着したら特に水やりは不要です。

アボカドの肥料・追肥

3~9月は暖かい気候のため、成長が見込まれますので、緩効性肥料を与えます。 「肥料の三要素」である窒素・リン酸・カリウムが同じ割合のもの、もしくはリン酸が少し多めの化成肥料を与えましょう。 5月の開花時にはより多くの肥料を必要とするため、液体肥料を併用すると良いでしょう。 即効性肥料は、アボカドの状態を見つつ適宜追肥するようにします。

ばらまくだけの簡単肥料

ハイポネックス 「ネクスコート野菜・くだもの用」

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様々な野菜・果物に使用可能な錠剤タイプの肥料です。 ゆっくり長く効果が持続します。

アボカドの剪定(摘心)

成長を抑えるため、剪定や摘芯を行います。 樹勢が強くどんどん成長していくので、鉢植えなら草丈が30~40cm程度で頂点を剪定していきます。 庭植えは3~5月に枝を剪定し、日当たりや風通し良くしましょう。 摘芯は、思い切って下の方から行うと、ボリュームのある立派な見た目に仕上がることでしょう。

アボカドの植え替え

アボカドは成長が早いので、2年に一回は植え替えると良いでしょう。 5~6月頃が植え替えには適しています。 今までよりも一回り大きな鉢に鉢植えするか、もしくは思い切って地植えにするのもおすすめです。

アボカドの病害虫

・病気「炭疽病」 葉に黒褐色の病斑が表れます。予防策としては、常に風通しをよくするため、適度な剪定を行いましょう。 ・害虫「カイガラムシ」「ハダニ」 枝や葉の栄養を吸い取られてしまうため、見つけたら早めに駆除するようにしましょう。

アボカドの収穫

春になると開花するため、実を収穫したい場合は受粉させます。 両性花ですが雌しべと雄しべの成熟時期が異なるため、品種の違う2種類を育てるのが望ましいです。 しかし1本の木でも結実可能で、結実率を上げたければ、人工授粉が良いでしょう。 実際は家庭では実をつけるのは難しいため、観葉植物として楽しむ方がいいようです。 一般的なアボカドの収穫時期は11~12月頃とされていますが、品種や地域によってやや異なります。 収穫した際に実がまだ硬いようなら、1~2週間食べずに保管し、皮が黒くなったり全体が柔らかくなったりしたら、食べごろといえるでしょう。

アボカドの増やし方

現実には実をつけて種を取り、その種を発芽させて増やすのは難しいため、接木して増やす方法がおすすめです。 接木であれば、実が成るまでも早いですよ。 水耕栽培で一度育ててみてはいかがでしょうか。

アボカドを楽しく栽培してみよう

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実を収穫するのは現実には難しいため、初心者の方はスーパーで購入してきて食べ終わった後の種から発芽させ、水耕栽培で楽しく育てるのもいいですね。 割れた種から発芽する様子を、透明の容器から直接観察することができ、楽しく栽培することができます。 花を開花させたり、実を成らせたりするためには、コツがいり気長にお世話をしなければなりません。 アボカドの葉は大きく、観賞用として最適です。 本来であれば、捨てるはずであった食べ終わった後のアボカドの種。 そこから観葉植物として育てていくのも、楽しみのひとつとなるのではないでしょうか。 ただし、どんどん生育しますので、適度に剪定や摘芯を行うことを忘れないようにしてくださいね。