豆苗の育て方って?2度目も美味しく収穫したい!おうち時間を楽しむ豆苗の再生栽培

2020年5月23日


栄養価も高く、家庭菜園としても人気の豆苗。一度収穫したあとも水耕栽培で簡単に育てることができる、再生栽培が可能なリボベジ野菜です。今回は種から発芽させるための栽培条件やコツ、水やりのポイントなど豆苗の育て方をご紹介します。より美味しい収穫を目指しましょう。

豆苗とは?

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マメ科のエンドウの若菜である豆苗。
原産地は地中海沿岸部、中央アジアや中東などです。
中国では高級食材として用いられてきましたが、日本では1995年ごろから「スプラウト」(サヤエンドウの種を発芽させたもの)として売られ、一般的に食べられるようになりました。
 
βカロテンやビタミンE、ビタミンKを多く含み、ほうれん草や小松菜など一般的な緑黄色野菜よりもその含有量は多く、栄養価の高い植物と言えるでしょう。

豆苗の大きな特徴として、家庭でも再生栽培できる点があげられます。
水耕栽培が一般的ですが、土栽培も可能です。
収穫までの期間は、根を水に浸し始めて7日から10日。
あっという間に収穫できるのも魅力のひとつです。

その手軽さゆえに「何回も収穫できる?」と言う疑問も聞かれますが、3回目以降の収穫はうまくいかないことも多く、基本的には2回目までが良いと言われています。
肥料の有無に関しては、土栽培の場合は利用することもありますが、基本的には不要です。

豆苗の育て方のコツ

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調理後に残しておいた豆の部分を使えば、自宅でも簡単に再生栽培できる豆苗。
その育て方のコツを確認していきましょう。

置き場所

豆苗の置き場所はどのようなところが良いのでしょうか?

・日当たり
豆苗を美味しく育てるには、日当たりの良い場所に置くことが大切です。
一度食べた後、そのままキッチンで育てられたら様子もこまめに見られて安心ですよね。
しかし電気の光のみで育てると、茎や葉が細く小さくなってしまいます。
また、直射日光も育ち方にばらつきが出てしまうため、おすすめできません。
「窓辺栽培」で育てるのがベストでしょう。

・気温
豆苗が発芽するのに適した気温は20度前後です。
冷蔵庫で育てられる?と言う疑問も聞かれますが、室内置きにしましょう。

・湿度
水耕栽培がメインとなる豆苗ですが、湿度が高いとカビが生えてしまう恐れがあります。
しかしあまりにも乾燥気味にしてしまうと、そのまま枯れてしまう可能性も。
夏場はエアコンをつけて、室内環境として過ごしやすい状態にするのがおすすめです。

再生栽培

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豆苗は種から育てることも可能ですが、自宅での栽培においては再生栽培が一般的です。
ここでは再生栽培をする場合を中心に、両者のメリット・デメリットなどを含めた栽培条件をご紹介します。

・豆苗の選び方(再生栽培)
まずは店頭で瑞々しいものを選びましょう。
工場で育てられる豆苗には旬はないと考えられますが、新鮮なものは丈が短く、葉が濃い緑になっています。

・植えるのに適した時期(土壌栽培)
土に植える場合には秋がおすすめです。
冬を超え、春になるとあっという間に成長。
花が咲いたのち豆を収穫すれば、種として利用できます。

・発芽条件
豆苗には「わき芽」と言うものがあります。
再生栽培の場合は収穫時、豆苗を切る場所としてわき芽を残しておくことがポイントになります。
水栽培用の容器に水を入れその中で育て、20度前後の日当たりの良い室内においておけばOKです。

・それぞれの用意するもの
水と豆苗を入れられる容器を用意します。
容器に関しては、ジップロックやペットボトルなどの用意しやすい容器を利用しましょう。

・簡単な手順
再生栽培の場合、一度食べた後の豆苗下部の白い根の部分を利用します。
あとは容器に移し、水を入れて置くだけ。必要に応じて水を取り換えます。
種から育てる場合は、ホームセンターなどで購入した豆苗の種を、水に一晩つけるところからスタート。
その後、キッチンペーパーを敷いた容器のなかに種をひろげます。
発芽したら数日、霧吹きで水をやっていると伸びてきます。

・メリット・デメリット
種から育てる場合:
日々様子を確認しながらしっかり育てたいという方には、他の野菜に比べて、種からでも育てやすいでしょう。
しかし、発芽までは日の光を当てないようにし(豆苗は嫌光性種子)発芽してからは日光を当てる必要があるなど、手間がかかってしまいます。

再生栽培の場合:
買ってきて、食べ終えた豆苗の種を使って簡単に行える再生栽培は手軽にはじめられるでしょう。
ただし、カットのしどころが悪いと再生栽培をできなくなります。

再生栽培は手軽に始めることができるため、初心者の方にはおすすめの方法です。
最初に食べる際にカットする部分を気をつけて、ぜひ再生栽培にチャレンジしてみましょう。

種から簡単に育てたい方に

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豆苗の栽培において、水の管理はとても大切です。

・水やり、水の交換の頻度
水やり、水の交換は基本的に毎日行います。
なるべくなら朝晩の2回行うのがベストです。
また根をゆすぐ意味で、1度目に入れた水はすぐに捨てて新しい水に取り替えましょう。

・水の水位(水耕栽培)
水耕栽培がメインとなる豆苗は、水位も重要です。
白い根の上までしっかり保つようにしますが、種に水がかからない程度にするのがポイントです。
水を入れすぎないようにしましょう。

・豆苗を腐らせないための水交換
夏場は水が腐りやすく、夏の水交換は特に大切。
毎日行いましょう。
また、水交換時には水が腐っていないかを確かめるために、容器にぬめりがないかをチェックします。ぬめりがある場合は食べるのは諦めましょう。

収穫

豆苗を買ってきて食事するための1回目の収穫。
この時に「どこの部分を収穫するのか」が2回目の収穫において重要です。
豆苗は根元に、植物が新しく芽を伸ばすための成長点である「わき芽」が2つあり、その2つのわき芽を残すようにカットします。
その後、順調に成長すると、2回目の発芽から収穫までの期間は7〜10日ほどになります。

わき芽をカットしてしまった場合、2回目の収穫ができないケースもあるため、注意が必要です。

豆苗を育てる上での注意点

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豆苗栽培におけるよくあるトラブルの対処法をご紹介します。

水と栄養に寄ってくる「コバエ」は、水耕栽培においてとても発生しやすいと言われています。
特に湿度が高くなる6〜9月は注意。

水耕栽培で発生しやすい「チョウバエ」は、水垢や汚れた水を好み、水が溜まっている場所で卵を生んでしまいます。
水を腐らせないためにも、コバエが気になる夏場はとくに水の交換頻度の見直しをしましょう。

また、別の場所でコバエが発生すれば、豆苗の水に寄ってきてしまう恐れもあります。
家の生ごみを放置しないことや、腐った植物などにも注意が必要です。

カビ

豆苗にカビが生えてしまった場合、生えていない部分も含めて食べられず、捨てるほかありません。
カビを発生させないためには、水が腐らないように水換えの頻度を定期的に保つことが大切です。
また、水位を保つのもポイントのひとつ。水が多すぎることも、カビを発生させる原因になり得ます。

グリンピースまで育てられる?

エンドウの若芽である豆苗。
「何回か収穫した豆苗は、土に植え替えることでサヤエンドウやグリンピースまで育てられるのか」と言った疑問をもつ方もいるのではないでしょうか。
答えは「育てられます」。

その手順はいたって簡単。
一度食べた豆苗を土に植える→水耕栽培同様葉が出るそのまま育て続ける→つるが出てサヤエンドウに、と言う流れです。
この時、培養土を使うと安定して育てやすくなります。

土栽培の強い味方

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おうち時間を豆苗と共に過ごしましょう!

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1度食べるだけでなく、2度目の収穫も楽しめる豆苗は家庭菜園にぴったり。

1度目は栄養がたっぷり含まれ新鮮な状態なので、ぜひサラダとして生でいただきましょう。
そのままの豆苗の風味が少し苦手と言う方は、豆苗とツナをマヨネーズで和えたサラダもおすすめです。
2回目の収穫時は、家栽培で雑菌が繁殖している可能性を考慮して、火を通したメニューに。
豆苗は油やお肉との相性がいいため、軽く塩胡椒で炒めるのもいいですね。
もうひと工夫と言う場合には、彩の良いニンジンなどと一緒に肉巻きに。
パーティ料理としても遜色ない、見た目にも華やかなメニューです。

食べて美味しく、育てて楽しい豆苗と、ぜひ素敵なおうち時間を過ごしてみてくださいね。