かぼちゃの栽培方法とは?かぼちゃはプランターでも栽培出来る?!失敗しないかぼちゃの育て方をご紹介

2019年2月11日


かぼちゃの栽培は、家庭菜園初心者でも比較的簡単であり、病害虫にも強く手間がかからないため、育てるのに人気のある夏野菜です。プランターや自宅の庭で、気軽に栽培してみませんか。かぼちゃは栄養価が高く、自分で育てたかぼちゃを料理して食卓に並べれば、家族も喜ぶはず。

かぼちゃってどんな野菜?

夏野菜として思い浮かぶ「かぼちゃ」。病害虫に強く、手間がかからないため、また育て方も簡単なことから、家庭菜園に人気です。西洋カボチャは涼しく乾燥した気候を好みます。粉質で甘みが強いのが特徴です。一方、日本カボチャは高温多湿に耐えることができ、煮物・揚げ物向きで粘質があります。 かぼちゃは栄養価が高く、カロチン・ビタミンB群・ビタミンC・食物繊維・カリウムが豊富に含まれています。

種類

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かぼちゃには様々な種類があります。代表的なものをご紹介します。 ・そうめんかぼちゃ:茹でた果肉がそうめん状になる珍しい種類。 ・えびす:黒皮が濃い緑色で、淡緑色の班が入っています。 ・ダークホース:粘質が強くほっこり。中身はハート型です。 ・プッチーニ:手のひらサイズ。黄橙色で粉質。独特の甘みがあります。 ・雪化粧:白かぼちゃ。北海道出荷。貯蔵性がよく3ヶ月経っても美味しく食べられます。 ・おばけかぼちゃ:ハロウィン用に使用されるかぼちゃでお馴染み。ジャンボかぼちゃとも呼ばれます。 ・栗将軍:粉質で食味に優れており、酸化が遅く果内は黒変しにくいです。 ・九重栗かぼちゃ:果実が黒緑色で粉質。甘みがあり人気の品種です。

かぼちゃの栽培時期

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3月下旬、ポットに種まきをして育苗を行い、4月下旬に定植。収穫時期は、7~8月ごろとなります。

かぼちゃの栽培方法

かぼちゃ栽培は難易度が低いため、家庭菜園の初心者にもおすすめです。確実に人工授粉で着果させ、夏野菜の代表格かぼちゃを、完熟した状態で収穫しましょう。 プランター栽培の場合は、重さに耐えられるよう実をネットで吊るすなどの工夫が必要です。また、収穫前にはマットを敷くと良いでしょう。

種まき、苗の植え付け

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種まきはポット(9~12cm)まき・直まきどちらも直径4~5cm、深さ約1cmの穴を掘って行います。4~5粒まき、土をかぶせて軽く押さえ、水やりを行いましょう。定植・直まきの2週間以上前までに苦土石灰を散布し、深く耕します。株間は1mほどが良いでしょう。

プランターでの栽培方法

プランター栽培であれば、ベランダでも簡単に育てることができます。プランターのサイズは、標準タイプの60cm程度以上のものがおすすめです。 大型品種のかぼちゃであれば、1株ごとに1つの植木鉢を利用すると良いでしょう。

整枝、摘心、芽かき

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整枝は、西洋種は親づる1本と子づる1本。日本種・ペポ種は親づる(本葉5~10枚で摘心)と子づる2~4本の仕立てとして、着果前は他の子・孫づるはかき取り、込み入ったつるを摘除します。主枝の脇芽は基本的に全てかき取りますが、脇芽の生育は旺盛なため、できるだけ小さなうちに芽かきを行いましょう。

園芸支柱

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立体栽培であれば、支柱を立てます。トンネル型のものがおすすめです。支柱にネットをかけて、伸びてきたつるを誘引します。立体栽培は風通しや日当たりが良く、病気にかかりにくいというメリットがあります。

水やり

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かぼちゃは乾燥に強く、あまり水やりし過ぎるとうどんこ病などの病気・害虫を呼び寄せる原因となってしまうため、注意しましょう。 ただし、鉢植え・プランター栽培の場合は、水切れを起こしやすいため、土表面が乾いたら水やりを行うのがポイントです。

肥料

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窒素肥料が多いとツルボケしやくなるため、植えつけ時には肥料は控えめにしましょう。リン酸・カリウムが多めに入った肥料がおすすめです。実が握りこぶしほどの大きさになったとき・実が2~3個成ったときに、追加して植えつけ時と同じ肥料を与えます。

受粉

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梅雨の期間になると、花がつきはじめます。ガクの下に膨らみのあるのが雌花、ないのが雄花です。受粉をしなければ、果実は肥大しません。自然受粉も可能ですが、確実に着果させるためには、人工授粉を行います。当日開花した雄花をとり、花びらをちぎり、雄しべを剥き出しにします。雄しべ先端を雌しべにこすりつけるだけで受粉は完了です。 日が高くなると花がしぼんでくるため、人工授粉に適した時間帯としては、晴天の早朝が最適でしょう。

玉直し、敷きわら

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かぼちゃは地面を這って成長します。実が地面に接している面は、日が当たることもなく色づかない場合も。味に変化はないのですが、色や形を整えるために玉直しを行い、裏面にも日を当て、色味をしっかり乗せるようにしましょう。動かす角度は90度までです。無理に動かすとヘタが取れてしまうため、丁寧に扱いましょう。 つるが伸びるに従い、敷きわらを広げていきます。これには、畝の乾燥防止・果実の汚れ防止などの重要な役割があります。

害虫、病気対策

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発生しやすい病気として、うどんこ病があげられます。雨量が少なく、乾燥した天気が続くと発生しやすいと言われています。初期段階でしっかり防除することが大切です。 また、疫病は水はけの悪い畑・長雨が続くと発生します。雨での泥の跳ね上がりを防ぐため、株元にポリマルチをする・つるしたにわらを敷くなどして、果実にはマットを敷くと病気予防にもつながります。

収穫

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西洋種は、開花後40~45日経過し、ヘタがコルク化したら収穫します。収穫後、風通しの良い場所に1週間ほど放置し乾燥させると、日持ちが良くなり美味しさが増します。 日本種は、開花後25~30日経過すると品種特有の色味になり、へたが褐色になったら収穫します。

連作障害

かぼちゃは連作障害が出にくいので、同じ場所での連作も可能です。

失敗の原因、注意点

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かぼちゃ作りで失敗してしまったら、次の栽培のためにも何が原因かを考えたいたいですね。代表的な2つの例をご紹介します。 ・雌花が咲かない:雄花ばかりの元気なツルは、ツルボケという現象です。雌花が咲かない原因は、土が肥えすぎている・肥料の与え過ぎが原因として考えられます。ツルボケ後の対処としては、株元から30cmほど離れた場所にショベルを突き立て、2ヶ所程度根を切断すると、茎葉を伸ばそうとしていた根が雌花を作るようになります。 ・実が腐る:最も考えられる原因は、受粉しなかった場合です。受粉しなければ実は育ちません。腐るか落ちてしまいます。株元近くの葉が5枚以下しかない雌花はいい果実にはならないため、早めに摘む必要があります。

ミニカボチャの栽培方法

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ミニカボチャなら、吊り栽培がおすすめです。吊り栽培なら省スペースで育てることができ、ベランダでプランター栽培をすることもできます。アーチ状に支柱を立てることにより、立体的に栽培することが可能となりますよ。

いろんな栽培方法

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かぼちゃには品種にもよりますが、様々な栽培方法があります。住環境などに合わせた栽培方法を選ぶのがおすすめです。 ・棚栽培:かぼちゃの棚栽培は可能ですが、実が重いためかなりの強度が必要となります。支柱を多く使い、風や重みに耐えられるように工夫しましょう。 ・抑制栽培:かぼちゃの抑制栽培用の品種であれば可能です。ダークホース・とっておきなどがそれにあたります。 ・草生栽培:敷き草にするために、草を生やしながらかぼちゃを栽培していきます。また、風対策にもなります。

食べたかぼちゃの種から育てられるの?

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スーパー、八百屋などで売られている果物・野菜を食べた後の種は発芽するものが多いですが、輸入品であれば日本で栽培できないものも多くあります。また、せっかく発芽しても収穫まで至るのは難しいでしょう。さらにその性質は受け継がれず、結実しても美味しくはならないでしょう。

かぼちゃの栽培を楽しもう

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かぼちゃは、土質を選ぶことなく根も良くはり、肥料を吸収する力も強いため、家庭菜園初心者でも比較的簡単にチャンレンジできます。美味しいかぼちゃの実を成らすためには、適切な生育段階での着果・健全なつるの維持がポイント。着果のためには、人工授粉が確実です。 かぼちゃはつるが伸びるため、広い面積を必要としますが、ミニカボチャなどであれば、プランターに支柱を立てて、ネットに誘引して育てることも可能です。収穫したかぼちゃは、風通しの良い場所に1週間ほど置いて乾燥させると、日持ちが良くなり、味も美味しくなりますよ。 煮物にしたり、スープにしたり、きんぴらにしたりと、かぼちゃのレシピは非常に数多く存在します。ぜひ、自分で育てて収穫したかぼちゃを、食卓に並べてみてはいかがでしょうか。