今人気の「ハーバリウム」!おしゃれな作り方のコツは?簡単に長くお花を楽しむ方法を解説!

2019年12月21日


最近流行の「ハーバリウム」。花材とオイルを瓶に閉じ込めてその美しさを長く楽しむことができる、とても魅力的なアイテムです。実は簡単に作ることができるので、初心者にも挑戦しやすいのです。今回は、基本の作り方や必要な道具、おすすめの花などをご紹介します。

ハーバリウムとは?

gettyimages (24708)

 

 

 

Licensed by Getty Images

 

ハーバリウムは植物学において、「植物標本」という意味を持ちます。
押し花などもハーバリウムの一種ですね。
最近ではインテリアとして進化してきており、ドライフラワーやプリザーブドフラワーをオイルと一緒に容器に閉じ込めたものを「ハーバリウム」と呼ぶようになっています。

 

インテリアとしてのハーバリウムの多くは、透明な瓶に花を入れ、オイルを注ぎ込んで封じ込めたもの。
主に観賞用として販売されていて、その幻想的な美しさとおしゃれさから、とても人気があるアイテムです。
加工された花を専用のオイルに浸すので、寿命が長いことも魅力の1つ。
花材によって色落ちの具合はさまざまですが、数ヶ月から1年、ものによってはそれ以上の期間、姿を変えずに楽しめます。

そんなハーバリウムですが、ご自身で作ることも可能です。
ポイントさえおさえれば、初心者でも簡単に作ることができます。
最近では、ハーバリウム作りを趣味とする人も多く、インスタグラムで検索すると、さまざまなオリジナルハーバリウムを見ることができます。
あなたもインスタ映えを狙って、ハーバリウム作りに挑戦してみませんか?

ハーバリウム作りに必要なもの

gettyimages (24712)

 

 

 

Licensed by Getty Images

 

ハーバリウムを手作りすると決まったら、まず必要な道具を揃えることから始めましょう。
もともと家にあるものや百均に売っているものも多いので、意外と手軽に揃えることができます。

 

・絶対に必要な道具

「オイル」
花を浸すためのオイルです。
後ほど詳しく解説しますが、ハーバリウムに適したオイルを使用しなければならないため、ほとんどの方が新しく購入することになるでしょう。

「瓶」
瓶に関しては、オイルがこぼれないように密閉できるものであれば、特にルールはありません。
ただ、コルク栓だと腐りやすいので、フタはスクリュータイプのものをおすすめします。

「花材など中に詰めるもの」
花の種類に制限はないのですが、ドライフラワーかプリザーブドフラワーに加工されていないと、本物の花は使えません。
他にも、ビー玉やガラス砂などを入れるテクニックもあります。

「ピンセット」
瓶に花を詰めていく工程で使用します。
素手で作業をすると瓶に指紋がつき、完成時の美しさが半減してしまいます。
細かい調整をするためにも、花を摘める作業は必ずピンセットを使いましょう。
ハーバリウム用の長いピンセットも販売されていますよ。

「はさみ」
ドライフラワーやプリザーブドフラワーは脆いので、花材の長さを調整する際は必ずハサミを用いましょう。

「消毒液」
後述しますが、ハーバリウム作りにおいて最初の工程、瓶の消毒に使用します。

・あると便利なアイテム

「チューブポット」
オイルを瓶に注ぐ際、いったんチューブポットに移してからの方が、ゆっくりと丁寧に注ぐことができるのでおすすめです。

「竹串」
花材の細かな調整に便利です。

シンプルなガラス瓶

150ml角柱ガラスボトル5本セット

 

150ml角柱ガラスボトル5本セット

こちらは、スタンダードな角柱型のガラス瓶です。
本体が透明でフタがスクリュータイプなので、ハーバリウム作成に必要な条件が揃っています。
最初はこういった基本形からならしていき、慣れたら好みのボトルに挑戦していくのがいいかもしれませんね。
ハーバリウム 150ml角柱ガラスボトル5本セット
created by Rinker

オイル

ここからは、重要アイテムの解説です。
ハーバリウムの完成度を左右すると言っても過言ではない「オイル」。
ハーバリウムで使用できるオイルは、大きく分けて3種類あります。
・ミネラルオイル
・シリコンオイル
・ハーバリウム専用オイル
各オイルを細かくご紹介します。

 

「ミネラルオイル」
ベビーオイルの原料に使用されている「流動パラフィン」のこと。
刺激の少ないオイルということと、3種類の中では比較的安価で手に入ることから、初心者向けといわれています。
市販のベビーオイルで代用することも可能ですが、商品によってはスキンケア成分が入っていることがあり、濁りや色落ちの原因となることも。
購入前に成分を良く確認しましょう。
また、-10℃を下回るとオイル自体が白く濁ってきますので、寒冷地での使用にも注意してください。

「シリコンオイル」
色落ちがしにくく、寒さにも強いシリコンオイル。
屈折率がガラスに似ているため、中に沈めた花がきれいに見えるというメリットもあり、品質にこだわりたい方向けのオイルといえます。
化粧品やシャンプーなどに使用されているものなので、人体に悪影響はありませんが、シリコンアレルギーがある方は避けた方がいいでしょう。
デメリットは、ミネラルオイルより少し高価なことと、花材が浮きやすく作る難易度がUPすること。
ミネラルオイルよりも技術が求められるので、中級者~上級者向けかもしれませんね。

ミネラルオイルとシリコンオイルは、混ざってしまうと白く濁り、もとにもどらなくなってしまいます。
両方所有している方は、取り扱いには注意しましょう。

「ハーバリウム専用オイル」
専用業者が販売しているハーバリウム専用オイルは、ハーバリウムのためだけに作られたオイル。
オイルの透明度や花材の色落ちのしにくさは、他の追随を許しません。
オイルの中でもっともおすすめと言えますが、そのぶん他のオイルよりも高額です。

オイルの代わりに洗濯のりを使用する作り方もあるようですが、純粋なオイルではないため色落ちなどがおきやすく、完成度が低くなってしまいます。
美しいハーバリウムを作りたいのなら、オイルにはこだわりましょう。

ハーバリウム専用オイル

アクアプリザ液

 

アクアプリザ液

専門家もおすすめするオイルが、プリザーブドフラワー加工液メーカーさんの商品である「アクアプリザ液」。
なかなか高価ですが、そのぶんクオリティも保証されます。
アクアプリザ液【タイプ1】1L
created by Rinker

シリコンオイル

ハーバリウム シリコンオイル

 

ハーバリウム シリコンオイル

ハーバリウム専用オイルの中でも、比較的安価で手に入るのがこちらの「ハーバリウムシリコンオイル」です。
名前の通り主成分がシリコンオイルのため、アレルギーの方はご注意ください。
ハーバリウム シリコンオイル 1L
created by Rinker

花材

ハーバリウムには生花が使用できません。
時間経過でカビが生えたり腐ったりしてしまうためです。
ハーバリウム作りでは、特殊な加工が施された花か造花を用意しましょう。
使用できる花は、大きく分けて以下の3種類です。
・プリザーブドフラワー
・ドライフラワー
・造花(アーティシャルフラワー)

 

「プリザーブドフラワー」
生花を特殊な溶液につけて水分を抜き、長期間保存できるようにしたものをプリザーブドフラワーと呼びます。
ハーバリウムで使用する花材としては、もっともメジャーと言っていいでしょう。
多くのプリザーブドフラワーでは、脱色→染色という工程を経るため、色鮮やかな花が多いのも魅力です。
プリザーブドフラワーは、ドライフラワーに比べて花が丈夫なうえ、オイルに沈めても浮きにくいのが大きな利点。
初心者でも扱いやすいので、花材に迷ったらプリザーブドフラワーをおすすめします。
デメリットは、ドライフラワーよりも高価なこと。
自作することも可能ですが、少々難易度が高いことと、プリザーブド液の作成や購入にお金がかかることがネックです。
また、染色されているプリザーブドフラワーは、時間がたつと染色液がオイルに移り、色落ちしてしまうことも。
ある程度は仕方がないことですが、覚えておきましょう。

「ドライフラワー」
生花を乾燥させたもの。
安価で販売されていますし、自宅での作成も難しくないので、手に入りやすい花材と言えます。
乾燥の過程で、プリザーブドフラワーより色味は落ち着いてしまいますが、そのぶん自然な色合いとアンティークな雰囲気が出るため、プリザーブドフラワーとは違った美しさを表現することができますね。
ただ、ドライフラワーはとても脆く、少しの力で簡単に崩れてしまいます。
取り扱いには注意しましょう。
ドライフラワーを自作する場合、もっともメジャーなのは逆さにつるして乾燥させる「ハンギング法」というやり方ですが、これだと色落ちが少し激しいのが難点。
ハーバリウムにすることを前提とするならば、タッパーなどに敷き詰めたシリカゲルに埋めて乾燥させる「シリカゲル法」で作ることをおすすめします。

2019年11/11依頼分、「ドライフラワーの作り方」をここにリンク
プリザーブドフラワーとドライフラワーはどちらもハーバリウム作りに使用できますが、その製法に大きな違いがあります。
上記の通り、どちらにもメリット・デメリットがありますので、自身の技術力やイメージする完成形に合わせて選ぶとよいでしょう。

 

「造花」
もっとも安価で手軽な方法として、造花を使うという手もあります。
百均で花材が簡単に揃うので、とにかく楽に安く仕上げたい方にはいいかもしれません。
しかし、作り物である造花を使用する場合、いくつか注意点があります。
・見た目が安っぽくなる。
・着色料が溶けてオイルが濁ってしまう。
・針金やプラスチックが使われている造花だと、捨てるときの分別がかなり大変。
すべての造花にあてはまるわけではありませんが、造花の使用はよく考えてからにしたほうが無難です。

花の選び方

花材さえ理解していれば、あとはどんな花を選んでも間違いではありませんが、全くの初心者の場合、どの花が向いているのかなどはわかりませんよね。
そこで、ハーバリウム作りの定番とも言える花の種類をいくつかピックアップしてみました。

 

「カスミソウ(かすみ草)」
多くのハーバリウムで用いられる、定番中の定番がカスミソウです。
瓶の中に花を詰めていくと、どうしても花重みで下の方にある花が潰れてしまうのですが、最初にカスミソウを1本入れておくだけで、圧力が分散して内部のバランスを保ってくれます。
いわば柱のような役割をしてくれる花なのです。
ビジュアルも主張しないので、どんなコンセプトのハーバリウムにもマッチします。

「アジサイ(紫陽花)」
アジサイもカスミソウと同じく、ハーバリウムでは定番の花。
オイルに浸すと次第に花びらが透けていき、なんとも幻想的な雰囲気になるので、とても人気が高い植物です。
手に入りやすいですし、色も豊富で比較的安価といったメリットもあります。
ただし、プリザーブドフラワーのアジサイは色落ちしやすいのが特徴。
レイアウトの際は注意しましょう。
「デージー(デイジー)」
デージーにはいろいろと種類がありますが、ハーバリウムでよく使われるのは、プリザーブドフラワーのシルバーデイジーです。
小ぶりですが主張が強く、華やかな見た目のため、瓶の中できれいに映えるのが人気の理由です。
色もたくさんあるので、コンセプトにあったカラーが見つかるでしょう。
「ヘリクリサム」
ムギワラギクという別名がある通り、キクのような見た目をしている可愛らしい花。
デージーと同じく小ぶりで瓶に入れやすく、たくさんの色があるので使いやすいのが特徴です

 

「ペッパーベリー」
花ではなく実を使用するのが、こちらのペッパーベリー。
小さくて鈴なりの実が、ハーバリウムのいいアクセントになってくれます。
赤やピンクが多いですが、中には黄色や青色のものも販売されていますよ。

全体的に、透け感のある花や鮮やかな色をした花が人気ですが、最終的には好みの問題です。
自分が「いい!」と思う花を選んでみましょう。

花以外にも、
・英字新聞
・カラーサンド
・ビーズ
・ビー玉
・貝殻
などを入れてもおしゃれですね。

色味を合わせた花材セット

ハーバリウム 花材 セット

 

ハーバリウム 花材 セット

花選びに迷ったら、複数の花がセットになっている商品を購入してしまうのもおすすめです。
こちらの商品はカラー別に販売されているので、初心者でもまとまった色味のハーバリウムが完成します。
ハーバリウム 花材 セット
created by Rinker

季節のドライフラワーセット

ドライフラワー詰め合わせ

 

ドライフラワー詰め合わせ

こちらは、季節のドライフラワー詰め合わせ。
その名の通り季節ごとの素材が送られてくるので、花にあまり詳しくなくても、季節感がある作品を作ることができます。
ドライフラワー詰め合わせ
created by Rinker

コンパクトなフラワーセット

厳選花材パレット

 

厳選花材パレット

色ごとに小分けされた花のセット。
1つだけ購入して使うのもいいですが、慣れたら自分なりに組み合わせて使うのも面白いかもしれませんね。

ハーバリウム作りの手順

gettyimages (24717)

 

 

 

Licensed by Getty Images

 

さて、必要な道具や材料はここまで。次は実際にハーバリウムを作っていきましょう!
工程は大きく分けて3つ。
1、ボトルを洗う
2、花を詰める
3、オイルを入れる
早速解説していきます。

ボトル(ハーバリウムケース)の洗浄

まずは、使用する瓶の洗浄です。
無水エタノール・消毒用エタノール・オキシドールなどを含ませたコットンで瓶の内部を拭く方法が一般的ですが、家用の除菌用ティッシュでもかまいません。
また、耐熱ガラスの瓶の場合は、煮沸消毒でもOKです。
いずれにしても、瓶の内部に水滴が残っていると菌が繁殖する原因になるので、除菌が終わったら完全に乾燥するまで待ちましょう。

詰める

瓶が十分に乾燥したら、花を詰める作業を行います。
いきなり詰めるのではなく、まずは瓶を横にしてその隣に花を並べ、完成形をシミュレーションしておくとスムーズに作業が進みますよ。
この段階で、長すぎる茎などははさみでカットしておきましょう。

 

花を入れる際は、ピンセットで慎重に下から重ねていきましょう。
花材は短いものから先にいれ、あとから長いものを差し込む形にすると、上手く固定されてきれいにまとまります。
細かい調整は、ピンセットよりも竹串を使った方がやりやすいですよ。

オイルを入れる

花を詰め終えたらいよいよ大詰め、最後にオイルを流し込む作業が待っています。
ここでドボドボと乱暴に入れてしまうと、せっかくのレイアウトが崩れて台無しに。
容器を少し傾けて、瓶を伝うように少しずつオイルを流し入れましょう。
ここで便利なのが、百均で売っているチューブポット。
オイル注入用ボトルとして、ゆっくり流し込むのにうってつけのアイテムです。

 

気温の関係でオイルが膨張したときために、注入は1~2cm余裕を持たせたところでストップしましょう。オイルを注ぎ終わったら、気泡を抜くために5分ほど放置。その後しっかりとキャップを閉めれば、手作りハーバリウムの完成です!

他の容器でもチャレンジ!

gettyimages (24709)

 

 

 

Licensed by Getty Images

 

スタンダードな瓶でのハーバリウム作りに慣れてきたら、他の容器でもチャレンジしてみてはいかがでしょう。
最近では、ハーバリウム用のアクリルケースが多数販売されており、さまざまな形でハーバリウムを楽しむことができます。
例えば、ティッシュケース、箸置き、キーホルダー、ボールペンなど。
雑貨屋や通販などで販売されています。
小さくて難しいですが、ペンダントやイヤリングなど、アクセサリー型のガラス容器もあるようですよ。

世界で1つしかないハーバリウムを作ろう

gettyimages (24710)

 

 

 

Licensed by Getty Images

 

見た目の美しさと繊細さから、大ブームを巻き起こしているハーバリウム。
完成品を購入してもいいのですが、ああでもないこうでもないと時間をかけて作った一品は、きっと愛着のある宝物になるでしょう。
世界で1つだけのハーバリウムを、あなたの手で生み出してみてくださいね。