ガーデニングのプロが選んだ庭づくりを楽しく快適にするMYガーデンアイテム「アンディ&ウィリアムス ボタニックガーデン」太田勲さん

2019年6月28日


素敵な庭をつくるガーデナーの方たちは、どんな道具を選び、使っているのでしょうか?
ガーデニング事情に精通し、数々の道具を使いこなしてきたプロのガーデナー太田勲さんに、とっておきの愛用品や優秀なアイテムを教えてもらいましたのでご紹介いたします。

教えてくれた人「太田 勲」さん

太田 勲(おおた いさお)

イギリスの伝統的で歴史ある庭を再現したイングリッシュガーデン「アンディ&ウィリアムス ボタニックガーデン」(群馬県太田市)のヘッドガーデナー。
植物の性質や育て方を熟知した庭づくりのエキスパート。
育て方はもちろんガーデンデザインまで幅広く相談にのってくれる。
 

太田勲さんのガーデンスタイル

庭の施工例

イギリスのさまざまな時代の庭園を再現している「アンディ&ウィリアムス ボタニックガーデン」(群馬県太田市)は、日本でも数少ない本格的な英国式観光庭園のひとつ。
関東圏に展開しているホームセンター「ジョイフル本田」の付属施設で、年間を通して賑わいをみせています。

 

施設の名称になっているイギリス人ガーデナーのアンディ・マクルーラ氏とウィリアム・ウルフ氏が設計した庭を継ぎ、維持・管理している太田勲さん。

太田さんに庭づくりに対する考え方を伺いました。

―どんなテーマやイメージで、庭を造られているでしょうか?

太田さん:
「当園のコンセプトはイングリッシュガーデンなので、デザインしたふたりの意図を忠実に汲みとりながら、庭をメンテナンスしています。
そして、当初のコンセプトを壊さないよう心がけています。

 

イギリスに住んでいたような方が“懐かしい”と思ってくれればうれしいですね。

また、ここ群馬県太田市は、夏は暑く冬は乾燥する過酷な環境なので、植物選びには苦戦していますが、逆に、この環境に合う植物を見つけることができれば、似たような環境で苦しんでいる方の見本になることができると思っています。」

―ガーデンビギナーにとって、おすすめの庭とはどんな庭ですか?

太田さん:
「まず、自分の庭がどういう環境かをよく見極めましょう。
場所に合った植物のチョイスは、とても大切です。

 

そして、最初のうちは、植えたいものと育てられるものの接点を見つけましょう。

また、庭の中でレンガやタイル、石材などの構造物が多く植物の割合が少ないと日々の作業は楽になりますが、多くの投資が必要ですから、使える予算を最初に考えておくことも大事です。

そして、自分の技量に応じて、どこまでプロに頼むか、どこから自分でやるかをよく考えましょう。
一般的には1種類の植物を育てる方が簡単なので、構造物+芝生+αから考えるといいですね。
そこに、花木→1年草の花壇→多年草の花壇と、草花を植え足していくと自分のレベルに合った庭づくりができると思いますよ。」

―美しい庭にするコツやテクニック、表情豊かな庭にするために今注目しているアイテムはありますか?

太田さん:
「隣り合う植物や構造物とのコントラスト(色・高・形)を考えながら選ぶと、植物選びが楽になります。

 

そして、あまり“少量多品種”にしないこと。
できるだけ塊で見せるとよく見えます。
もし色選びに困ったら、単色でコーディネートしても面白いですよ。

そして、僕が今注目しているのは、充電器式の園芸ツール(電動バリカンなど)。
コンパクトで場所を気にせず使えるし、エンジン式に比べ動作音も静か。
昔と違い、実用に耐えられるだけのパワーがあります。
値段が下がれば個人的にも使いたいですし、進化が気になるジャンルです。」

庭づくりで欠かせない僕のマストアイテム

手際よく作業を進めるために欠かせないガーデン道具。
太田さん愛用のアイテムをご紹介します。

体に負荷をかけず簡単に切れる「FISKARS(フィスカース)の太枝切りバサミ」

 
おすすめポイント
「このハサミはギア付きなので、小さい力でも簡単に切れます。
伸びたつるや枝を処理するのに最適ですよ。
しかも、持ち手が樹脂でできているため、軽いのも魅力。
長さが約40㎝とやや小さめなので携帯用にも使えて便利です。」
 

多用途に使えて長持ちする「SPEAR&JACKSONのトラディショナルフォーク&スコップ」

おすすめポイント
「柄の部分は、耐久性のある広葉樹の木製、へッド部分はステンレス製なので錆びにくく、しかも、サビや土が付きにくくなるように磨き上げられているから、メンテナンスが楽ちん。
適度な重さがあり、根を切る時や土を掘り起こす時など多用途に使えます。
何と言っても丈夫なのがうれしいですね。」
 

世界中のガーデナーに愛される「HAWSのプラクティカン」

おすすめポイント「ジョウロは、大事な植物の命を支える必須アイテム。
僕がずっと使っているのは、軽いプラスチック製のジョウロの中では、抜群に長持ちするHAWS社のジョウロ。
上部から水を注ぎやすく、傾けると、ふんわりやさしい水が出てきます。
はす口や下向き口を収納するところがあるのもうれしいですね。」
 

ガーデンが楽しく快適になる!おススメアイテム

作業のストレスを減らしてくれる、太田さんおすすめのお気に入りアイテムをご紹介。
時間が短縮できる道具があれば、次の作業への余裕ができるので、庭と時間のレベルアップにつながりますよ。
 

切れ味がよく穴が掘りやすい「コジマ 快速 穴ほーる 中 75mm」

おすすめポイント
「この道具は、杭を打つ時に使う下穴あけ機で、ユリやアリウムなど大型の球根を深く植える時に使うと重宝します。
切れ味が抜群で穴が掘りやすいうえ、開けた時の穴も小さいので、まわりの植栽に景況しにくいのもお気に入りの理由です。」
 

作業がスムーズに行える「ムサシのロープ式高枝切り鋏」

 
 
 
おすすめポイント
「このロープ式の高枝切りハサミは、刃に力が入れやすく作業が早いです。
一般的なグリップ式よりも太い枝が切れるので、ノコギリを使うために上に登る必要が少なく、安全に作業ができますよ。」
 

希釈の手間を解消してくれる「タカギの簡単液肥希釈キット」

 
おすすめポイント
「液体肥料の面倒な希釈をしなくて済む便利なキット。
液体肥料をセットすると250倍に希釈しながら水撒きができます。
液体肥料は希釈すると劣化してしまう場合もありますが、これなら肥料が無駄にならないで済みますね。
僕は、仕事でも家でも使っています。」
 

アタッチメントが豊富な「京セラインダストリアルツールズの電子式 芝刈り機 リール式」

京セラインダストリアルツールズ電気式/芝刈り機

 
おすすめポイント
「32坪までの庭に使える、電子式の芝刈り機。
この芝刈り機は、サッチング刃や根切り刃などのアタッチメント(別売)が豊富。
アタッチメントを取りつけると芝のメンテナンス機としても使えます。
面倒なサッチング(芝刈り時に残ったカスや枯れ葉を取り除く作業)や根切り(緑豊かな芝生を保つために必要な作業)が機械化できるのは素晴らしいと思います。」
 

掴みやすく蒸れにくい「ウェストカウンティークラシックのローズグローブ」

おすすめポイント
「革がとても柔らかく、手先と手のひらに滑り止めがついていて掴みやすいグローブです。
手の甲が布製なので、蒸れにくいのもいいですね。
手首は着脱テープで調整できるので、泥が入りにくいですよ。
汚れたら、洗濯機で洗えます。」
 

太田さんにとってガーデニング道具とは

太田さん:
「僕は、見た目より耐久性重視です。
マストアイテムで挙げた道具は、日本ではまるでおしゃれアイテムのように扱われていますが、実は、質実剛健なつくりで、長く使える道具ばかりです。

 

海外で定番の道具のなかには10年保証となっているものもあり、そういうところがすごいなぁと思います。

また、余計な力を使ったり、ケガをしないためにも、自分の身長や手の大きさなどに合った道具を見つけることも大切です。

それと、道具にキャパシティーを超えるような仕事をさせないこと。
ハサミで大きな枝を無理やり切ったり、重いものを小さな台車で運んだりするなど、道具に無理をさせないことが長持ちの秘訣です。

使った後は、掃除をしてメンテナンスは必ず行うようにしてください。
使いっぱなしは、道具の寿命を縮めてしまいます。」

「おしゃれ」「カッコいい」「かわいい」といった見た目のポイントも大事ですが、自分にとっての"お気に入りの道具"="使いやすい道具"を選ぶことが重要だという太田さん。
使いやすい道具があることで作業ストレスが減り、自然と庭に出る機会が増えるといいます。

 

太田さんの道具選びのアイデアやアドバイスを参考に、あなたもマイアイテムをぜひ探してみてくださいね!